理科専科がズバリ授業案を公開! 〜5年「ふりこのきまり」2授業目〜

ふりこのきまり

 まだ1授業目を見ていない方は、先に理科専科がズバリ授業案を公開! 〜5年「ふりこのきまり」1授業目〜をご覧ください。

<ふりこの1往復する時間の求め方って何かな?>

板書案

復習をする

T:単元の課題を読みましょう。せーの

C:振り子の一往復する時間は何によって変わるのかな?

T:ということで、この疑問を解決するためにやっていきましょう

C:はい

T:そしたら、ふりこの勉強で覚えてほしい理科の言葉3つあったけど、覚えている?

C:おぼえてます

T:そしたら、図を使いながら復習しようか

C:はい

T:まず、これ

C:おもりの重さ

T:正解

T:次、これ。

C:ふれはば

T:最後、これ

C:ふりこの長さ

T:ちなみに、振り子の長さはどこからどこまでの長さ?

C:支点からおもりの中心までのながさ

T:そうだね

今日の問題を把握し、課題を掴む

T:そしたら、きょうの問題ね。ノートに書くよ

おもりの重さが10g、ふれはばが10°、振り子の長さが30cmのとき、1往復する時間は?

C:できました

T:そしたら、時間を調べるために、これを使います

C:ストップウォッチ

T:ということで、1往復する時間はいくつなのかをはかってみましょう

C:はい

T:いくよ

C:はい

T:どうけ?

C:0.9

C:1.1

C:1.3

C:1.0

T:なるほどね

C:もう一回やりたいです

T:いいよ

C:1.1

C:1.3

C:0.8

C:1.0

T:じゃあ、1往復する時間は何秒だといえばいいのかな?

C:うーん

T:なんでこまったの?

C:結果がバラバラだから、いったい何秒って言えば良いのかがわかりません

T:そうだね。実は、今みたいなはかり方をすると人によって押すタイミングや止めるタイミングがバラけてしまうから、どうしても1往復する時間がバラけるんだよね

C:はい

T:こういったものを「誤差」といいます。今回で言えば、0.5秒の誤差があるってことだね。結構デカくない?

C:はい

T:ということで、今日は誤差を小さくする良いはかり方について学び、それができるようになるのが目標だよ

C:はい

T:ということで本時の課題は?

C:振り子の1往復する時間の求め方って何かな?

T:じゃあ、それにしよう

ということで本時の課題として、「振り子の1往復する時間の求め方って何かな?」に決まりました。

誤差の少ないやり方を師範で見せる

T:じゃあ、先生が誤差の少ないやり方でやってみるね。あとで、どんなふうにはかっていたか聞くよ

C:はい

T:そしたら、Aさん手伝って。

C:はい

T:もうちょっと下に下げて。あっ!いいよ。はなして

C:はい

T:(ピッ)1,2,3,4,5,6,7,8,9,10(ピッ) 

T:10.9秒。

T:Aさん。もう一回やるよ。

C:はい

T:OK。はなして

C:はい

T:(ピッ)1,2,3,4,5,6,7,8,9,10(ピッ) 

T:11.1秒。

T:Aさん。もう一回やるよ。

C:はい

T:OK。はなして

C:はい

T:(ピッ)1,2,3,4,5,6,7,8,9,10(ピッ) 

T:10.8秒。

T:(10・9+11.1+10.8)÷3=10.93

T:10.9

T:10.9÷10=1.09

T:1.1

T:だから、1往復する時間は1.1秒

気づいたことをノートに書かせ、コツを教える

T:さあ、どんなふうにはかってた?ノートに書いてみて

C:できました

T:じゃあ、確認するよ

T:まず、何をしてた?

C:10往復する時間をはかってました

T:そうだね。

T:1往復する時間をはかるのは難しいから何往復か測って、そこから計算で求めるわけです。たとえば、10往復する時間が20秒だったら1往復する時間は何秒?

C:2秒

T:じゃあ、10往復する時間が30秒だったら1往復する時間は?

C:3秒

T:っていう感じ。

T:こんなふうに、10往復で測ると「ピッ」ってする時間の影響が1往復で計測するときより小さくなるわけです。そうすると、誤差が少なくなるってことだね。極端な話、30回とか50回とかにすればより誤差が少なくなるよ

C:なるほど

T:ただ、10往復にしているのもわけがあって

T:たとえば、7往復で15秒でしただと、1往復する時間は何秒?

C:15÷7=…

C:2.14

T:っていうふうに筆算で求めたよね

T:10往復で21秒でしただと、1往復する時間は

C:21÷10=

C:2.1

T:21秒と2.1秒を比べたら、1桁下がっているだけだよね。だから、10往復する時間で調べると1往復する時間を計算せずにパッと出せるからいいんだよってこと

C:なるほど

T:あと、10往復測るときにもコツがあって気付いた人いる?もしかしてでもいいよ

C:最初の何往復かは、はかってませんでした

T:すごい!正解!

T:Aさんの離すタイミングと先生がストップウォッチを押すタイミングをピッタリ合わすのってできそう?

C:むずかしそう

T:だよね。だから、何往復かをはからないでちょうど上に上がったタイミングでピッと押すと誤差が少なくなるってことね

T:じゃあ、調べ方にもどって、10往復する時間は何回はかってた?

C:3回

T:なんで3回はかったんだと思う?

C:1回目の記録はたまたまかもしれないから

T:そういうことね。実際、10往復する時間は、10.9、11.1。10.8ってちょっとばらつきがあったよね。

C:はい

T:だから、複数回はかったってこと。じゃあ、次は何したかわかる?

C:計算をしました

T:そうだね。(10・9+11.1+10.8)÷3=10.93ってやつだね。これ何を求めたかわかる?

C:10往復する時間の平均

T:そうだね。こうすると、より誤差が少なくなるよね

C:はい

T:ちなみに、÷3してるのはなんで?

C:3回分の記録の平均を取っているから

T:そうだね。もし5回記録取ってたら、いくつで割れば良い?

C:5

T:すごいね。そういうこと

T:でね、割り切れないこともあるから、小数第2位で四捨五入していいよ

C:はい

T:そのあとはどうしてた?

C:10.9÷10=1.09っていう計算してました

T:これは何を求めているかわかる?

C:1往復する時間

T:そうだね。10往復する時間が10.9秒だから、10.9÷10をすれば1往復する時間を求めることができるんだよね。ちなみに、÷10だから、1桁ずらすだけですぐにもとめられるんだったよね

C:はい

T:ほんで、これも小数第2位を四捨五入して、1.1が1往復する時間っていうことだね

C:はい

活用問題に取り組む

T:そしたら、このやり方を使って、ある条件での振り子の1往復する時間を求めてもらうね

C:わかりました

T:そしたら、条件は…

おもりのおもさ20g、ふれはば10°、振り子の長さ40cm

T:です。じゃあ、グループで分かれてやってみて。ちなみに、計算は計算機を使っていいよ

C:はい

その後、机間巡視をしながら、実験のやり方がしっかり理解できたか指導を入れながら見取りをしました。

T:じゃあ、Aグループ聞くよ。1回目、2回目、3回目のそれぞれの記録は?

C:12.5秒、12.7秒、12,9秒

T:たすと

C:38,1

T:その後の式は?

C:38.1÷3=12.7

T:今回は割り切れたんだね。その次の式は?

C:12.7÷10=1.27で、小数第2位の7を四捨五入して、答えは1.3です

T:Bグループの1往復する時間だけ教えて

C:1.3です

T:Cは?

C:1.3です

T:Dは?

C:1.3です

T:比べてみてどうけ?

C:どれも一緒です

C:すごい!

T:こうすれば誤差が少なくなるっていうわけです!

T:じゃあ、ふりかえりをかいてみて

C:はい

C:できました

T:じゃあ、このはかり方を使って、次回からこの単元のゴールを解決していきましょう

C:はい

終わりに

 このはかり方をどの子にもできるようにすることが大事であり、知識・技能のねらいに全振りしてもいい時間だと思っています。

 こういう場合、「やってみせ、いってみせ、やらせてみせ、ほめてやらねば…」っていう山本五十六さんの考え方を自分は結構大事にしています。教師が師範で見せ、その行動の意味を教え、実際にやらせてみせ、褒めながら定着をさせる。この1回で全員ができるわけではないけど、しっかり教えれば、あと「おもりのおもさ」「振り子の長さ」「ふれはば」の実験をしていく中でできるようになっていきます。

 「褒めながら褒めながら」それが大事だと思います。

 続きが気になる方は、理科専科がズバリ授業案を公開! 〜5年「ふりこのきまり」3授業目〜をご覧ください。

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