はじめに
今日のテーマは、「ふりかえり」です。みなさんは、「ふりかえり」って大事にしてますか?
自分は、正直言うと、これまであまり「ふりかえり」を重要視していませんでした。理由は、45分という時間の中で、実験や考察などのメインとなる活動にできるだけ時間をさきたかったからです。
しかしながら、尊敬している先生から「ふりかえり」について教えてもらったり、書籍で調べたり、実際に子どもたちの様子をみたりしているうちに、「ふりかえり」ってすごく大事だなって実感するようになりました。そこで、今回は、ぼん先生が、なぜふりかえりを大事にしているのかについて紹介したいと思います。なお、今回のお話は理科を前提にしていますので、ご了承ください。
4つの理由とは?ズバリ!
ふりかえりを大事にしている理由は全部で4つあります。その4つとはズバリ!
①本時の学習の大事なことを自覚化できるから
②知識と知識がつながることで深い理解につながるから
③「問いを見出す」という問題解決能力が伸びるから
④次時の課題に繋げられるから
になります。それぞれについて詳しく説明していきます
①本時の学習の大事なことを自覚化できるからについて
1つ目の「本時の学習の大事なことを自覚化できるから」について説明します。
これにあてはまるふりかえりとは、たとえば、「今日の授業で、風にはものを動かすはたらきがあるとわかりました」とか「発芽するためには、水、空気、適当な温度の3つが必要だとわかりました」といったものになります。
45分って子どもたちにとっては長いので、「結局要するにこれが大事なんだよね」っていうのを自分の言葉でまとめるのは、記憶の定着のために大事だと思います。自分もよく尊敬している先生から、「本時でつけたい力は何?」とか「要するに何ができたらいいの?」っていうのを問われていました。短く1文に表すことで、本時で落としたいことが明確になります。このタイプの振り返りっておそらくそれに近いんだとおもいます。
②知識と知識がつながることで深い理解につながるからについて
2つ目の「知識と知識がつながることで深い理解につながるから」について説明します。
これにあてはまるふりかえりとは、たとえば、「カエルやカマキリなどの動物は、あつくなると動きが活発になるが、すずしくなると動きが鈍くなることがわかった。たしかに、人もあついときは活発にうごくけど、さむいとなかなかうごきたくなるし、それと同じなんだと感じた」とか「水は時間がたつと、目に見えない姿になって空気中にでていくことがわかった。だから、洗濯物は乾くのかと感じた」といったものになります。
自分が授業をしていて、たまに子どもたちが「あ〜、なるほど!」「そういうことか〜」ってなるときがあります。これを自分は深い理解だと思っていて、そういうときは、子どもたちの中で「パチンっとつながる」っていうのが起きている気がします。じゃあ、何と何がつながるかというと2種類あって、1つは「知識と知識」です。ほんで、2つ目は、「知識と経験」です。
上記の振り返りは、それにあたるんだとおもいます。なかなか授業中は起きなくても、振り返りをすることで、それがおきる可能性があります。そして、これが起きるととてつもなく記憶に定着します。
③「問いを見出す」という問題解決能力が伸びるから
3つ目の『「問いを見出す」という問題解決能力が伸びるから』について説明します。
これにあてはまるふりかえりとは、たとえば、「風の強さが、弱と強では今日のほうが車が遠くに進むとわかった。じゃあ、もっと強くしたらさらに遠くに進むのかなと不思議に思った」「発芽には水がひつようだとわかった。じゃあ、水はどれくらいあれば発芽するのかなとおもった」といったものになります。
自分は、理科とは不思議を真実に変える教科だと思っています。これは、言い換えれば、不思議がなければ理科の学習は成り立たないということになります。この不思議を見つける力っていうのは、一朝一夕で身につくものではないですし、特に解決可能な不思議を見つける力を育むのはかなり難しいことだとおもいっています。
その機会を保証する上で、ふりかえりは効果的だと思います。また、良い不思議があれば、それを共有することができます。前時の学習を踏まえた不思議であり、子どもたちの土台も揃っているので「これはいい不思議だね」って伝えても理解しやすいです。聞くだけでも勉強になりますし。
④次時の課題に繋げられるから
4つ目の「次時の課題に繋げられるから」について説明します。
これにあてはまるふりかえりとは、たとえば、「発芽には水がひつようだとわかった。でも他に必要な条件ってないのかな?」「電磁石で、コイルの巻数をふやすと強くなることがわかった。電流の大きさをおおきくするとどうなるかが調べたいです」といったものになります。
自分の理想の授業とは、「できるだけ教師が出ない授業」だと思っています。上記の振り返りは取り上げるだけで、本時の方向性が決まります。当然ですが、教師から与えられた問題と子どもたち自身でみつげたら不思議では、同じ内容でも主体性などに大きなちがいが出ると思います。
また、そういった自分の力で不思議を見つける子が1人でもいると必ずクラスに普及します。そうすると、教師は本当にファシリテートするだけになります。本当に楽だし、見ていて面白いです。
終わりに
ということで、今回はふりかえりについて紹介しました。こういった思いが自分の中にはあるので、極力振り返りの時間は確保したいと思っています。参考になれば幸いです。
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