理科専科がズバリ授業案を公開! 〜5年「電磁石」3授業目〜

電磁石

 2授業目を見ていない方は、「理科専科がズバリ授業案を公開! 〜5年「電磁石」2授業目〜」を御覧ください。

<本当にコイルの巻数を増やすと、電磁石は強くなるのかな>

電磁石の強さについての問題を見つける

 『今日は、2つの写真をもってきました。気づいたことをノートに書きましょう』(指示)といって始めた。持ってきた写真は、①電磁石にクリップがあまりついてない写真と②電磁石にクリップがたくさんついている写真である(2枚の写真があることで、子どもたちは「比べる」という考え方を働かせることができる)。

 そして、『気づいたことを教えて下さい』(指示)と伝えた。A君からは、「1枚目の写真は、クリップがあまり付いていないけど、2枚目の写真はクリップがたくさんついています」という意見が出た。予想通りである。そこで、『なんでクリップのつく数が違うのかな?』(発問)と尋ねると、こども達から「電磁石の引き付ける力がちがうから」という回答が来た。そこで、『じゃあ、電磁石の引き付ける力ってどうすれば強くなるんだろうね。今日はそれについて勉強しよう』(発問)と伝えた。

電磁石の強さに関係するものを予想する

 予想を書かせる前に、回路図をかいた。回路図を書くことによって、変えられそうなものに気づいてほしいと思ったからである。全員が書き終えたことを確認して、『電磁石の引き付ける力ってどうすれば強くなるんだろうね。予想をかいてごらん』(指示)と伝えた。

 その後、『予想を教えて下さい』(指示)と伝えた。Bさんからは、「コイルの巻数を増やせば良い」という意見がでた。すると、多くの子が「同じです」と答えていた。Cさんからは、「電流の強さを強くすれば良い」という意見が出た。これにも、多くの子が「同じです」と答えていた。他の意見は出てこなかった(導線の太さとか、導線の長さとか、鉄芯の大きさとか出たら面白いのになと思っていたが…)

 そこで、『でも、この2つの予想って本当に正しいのかな?』(揺さぶり)と揺さぶった後、『じゃあ、まずは、コイルの巻数と電磁石の強さについて調べてみよう』(指示)と伝えた。そして、『課題はどうする?』(発問)と尋ねた。すると、子どもたちは、「本当にコイルの巻数を増やすと、電磁石は強くなるのかな」と立ててくれた(仮説を立てて、「本当に…なのか?」という課題の作り方はとてもオススメです。鍛えればすぐにできますよ)

変える条件と変えない条件を確認する

 そして、AとBの2つの回路図を書いて、変える条件と変えない条件を確認した。『変える条件は何ですか?』(発問)とたずねると、子どもたちは「導線の巻数」と答えた。そして、「200回巻きのコイルはあるよ。もう一個の方は、何巻きにする?」(発問)と尋ねた。すると、「300回」という意見が出たので、それにすることにした。『変えない条件はなんですか?』と尋ねると、「電流の強さ」と出た。

コイルを作る、実験方法を確認する

 そして、300回巻きのコイルを作らせた。前回、適当にまかないことは指導したので、子どもたちは丁寧に巻いてました。しかしながら、150回ほど巻いた後に、子どもたちから「先生、これ300回も巻けなさそうです」と言われた。そこで、『じゃあ、どうする?』(発問)と尋ねた。すると、Cさんから「100回巻きにしたい。電流が2倍になったら2倍クリップが取れるのか調べたいから」という意見が出た。これには、他の子も納得!そして、自分もCさんに対して、「きまりを見つけようとする姿が素敵だね」とべた褒めしました。しばらくすると、Dさんから「先生、あまった導線どうすればいいですか?切ってもいいですか?」と言われた。ここは大事なので、全員を止めさせ「どう思う?」(問い返し)と問い返した。残念ながら、納得行く理由は出てこなかったので、『導線の長さって変えてもいいの?』(発問)と尋ねた。すると、何人の子が気づいたようで、「あっ!だめだ。今は、『コイルの巻数』だけ変えるから、導線の長さを変えると条件が2つかわることになる」という声。これには、他の子も納得。ダメ押しとして、教科書でも確認をした。そして、変えないもののところに「導線の長さ」と付け足しで板書をした。

 かなりいい時間がきていたので、次回素早く実験に取り組めるように、実際に道具を使いながら、実験のイメージをみんなで確認した。このとき、回路のつなぎ方がわからない子もいて、『乾電池のプラス極からたどってみて。それで、1つの輪っかになっていれば大乗だよ』(説明)と伝えた。そして、片付けをした。

電磁石の3授業目を振り返って

 今回は、「仮説を立てる」「実験準備をする」「実験方法のイメージを確認する」という3つのことをした。実験準備は、教師がすれば早いんだけど、自分は子どもたちにさせている。理由は簡単で、実験スキルを高めたいからである。教師がやれば早いかもしれないけど、ゴールは「子どもたちが実験器具を使って、正しく実験できるための技能を身に着けさせること」である。そう考えれば、今日は価値ある1時間になったと思う。

 続きが気になる方は、「理科専科がズバリ授業案を公開! 〜5年「電磁石」4授業目〜」を御覧ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました