理科専科がズバリ授業案を公開! 〜5年「電磁石」4授業目〜 

電磁石

 3授業目を見ていない方は、「理科専科がズバリ授業案を公開! 〜5年「電磁石」3授業目〜」を御覧ください。

<本当にコイルの巻数を増やすと、電磁石は強くなるのかな>

復習をする

 『今って電磁石を強くするにはどうすればいいかを考えていたんだよね。みんなの予想としては…』と言うと、「導線の巻数を増やす」「電流の強さを強くする」という意見が出てきた。『今日はどっちをするの?』と尋ねると、「導線の巻数を増やす」と答えてくれた。『じゃあ、今日の課題は?』と聞くと、「本当にコイルの巻数を増やすと、電磁石は強くなるのかな」に決まった。

実験方法を確認する

 回路(乾電池のプラス極→検流計→コイル→スイッチ→乾電池のマイナス極)のイラストを2つ書いた。そして、『変える条件はどれ?』と尋ねた。すると、「導線の巻数」と答えた。そして、黒板に「200回」「100回」とかいた。そして、『変えない条件は?』と尋ねた。すると「電流の強さ」「導線の長さ」と出た。「200回巻きは、クリップが何個つくかを調べる時、実験は何回するの?」と聞いた。「3回」という声!「どうして?」と聞くと、「1回では正しい結果かどうかわからないから」という意見!ここまで、5分!テンポよくできていた。(これは、今までの積み上げがあるからできるものである。)

 その後、「質問はありますか?」と尋ねた。すると、「電流の強さはいくつですか?」と聞かれた。いい質問である。そして、「先生も、電流の大きさは検流計でしらべないとわからないので、つないでみて、その電流の強さでじっけんをしてください」と伝えた。

実験する

 他に質問がないことを確認してから、『じゃあ、実験して確かめてみましょう!』と伝えた。子どもたちは、理科室のいろいろな場所から道具を取ってくる(これが、すごく大事。教師が物を準備していては、時間がかかるし、実験が受け身になってしまう)。 

 道具が準備できたみたいで、回路を作り始めた。でも、「どう繋げばいいのかな?」と困っている様子だった。そこで、『回路って1つの輪のようになっていればいいんでしょ。乾電池のプラス極からたどってみて。』と伝えた。すると、「あっ!ここをこうつなげばいいんじゃない」という声!そして、『じゃあ、チェックするね。うん!オッケー』と伝えた。子どもは嬉しそうな様子である。

 自分は、1指示1評価の原則を大事にしている。今回で言えば、「乾電池のプラス極からたどってみて、正しい回路を作ってごらん」→子どもが作る→『ほめる』という流れである。こうすることで、次回も同じように調べればいいんだなという自信になる。そして、ここで褒めなかったら、子どもたちは本当にあっているのかな?と不安に思いながら実験することになる。教師がほめることで、これでいいんだなと感じ、実験に集中できる。ちなみに、電流は0.35Aだった。 

 「じゃあ、200回巻きからやろう」との声!「まあいいか」と思って、声もかけずに見守っていた。1回目は、「4個」だった。子どもたちは、イメージよりは少なかったみたいで、何回か確かめてから、「4個しか無理!」ってなって、諦めた様子だった。2回目は、「2個」だった。さっきより少なかったみたいで、「あれっ」ってなった。「なんでだろう」という声もあった。

 そこで、「電流の大きさは、いっしょだったの?」って聞いた。すると、0.30Aくらいだった。そこで、さっきの結果はノーカウントにして、0.35Aになったのを確認してから、もう一回実験をした。でも、結果は「2個」だった。これには、子どもたちから「何なん!」っていう声も出ていた笑

 そして、3回目。「電流の大きさ、0.35A。今だ!」っていう声も出てきて、条件制御を意識するようになった。結果は、3個だった。

 「平均、先に書いとこうよ」といって、200回巻きの結果を書き始めた。そして、平均3個と書いていた。

 「次は、100回巻きね」との声!電流が0.35Aなのを確認して、1回目をやり始めた。すると、なかなか取れないのである。「あれ?あれ?」との声。「ちゃんと取れよ」「やってみ。無理やから」「ほんまや。何もとれない。」「あっ!0.30Aになってる。中止中止」

 まるで、お祭り騒ぎである笑 でも、自分はこんな姿を見ているのが好きなんです。ここに理科の面白さが詰まっていると思うんです。

 そして、0.35Aなのを確認して、もう1回。そして、なんとかして1個取った。2回目も1個。3回目も1個という結果だった。子どもたちは、さっきに比べ明らかに、取れる数は少ないなと感じているようである。

考察する

 『じゃあ、考察書いてみて』と伝えた。5年生は、もう考察の型がしっかりみについているので、ササッとかいていた。しかも、多くの子が、正しく考察できていた。その後、『Aさん!』と当てて、考察を発表させた。

コイルの巻数を100回と200回に変えて、クリップがつく数を調べてみた結果、1 00回のときは平均1個、200回のときは平均3個だったので、導線の巻数が多いほうが、電磁石の強さは強くなる

である。他の子も異議なしという感じだった。

 そこで、『まとめ』と言うと、子どもたちは、「本当にコイルの巻数を増やすと、電磁石は強くなる」と書いていた。

 その後、片付けをさせた。子どもたちは、協力しながらテキパキ片付けていた。

 「じゃあ、次回は何をするの?」と聞くと、「電流の強さと電磁石の強さは関係があるのか?」と答えていた。「じゃあ、次回そうしようね」と言って終わった。

終わりに

 子どもたちを鍛えてしまえば、本当にスムーズに理科の授業は進む。最初だけ、確認したら、実験後は、ほとんど自分たちで進めていくので、教師はその様子を見守るだけでいい。なんとか、ここまでは鍛えることはできたけど、O先生は導入からそれができてると思うと道は遠いなって思う。

続きが気になる方は、「理科専科がズバリ授業案を公開! 〜5年「電磁石」5授業目〜」を御覧ください。

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