3授業目を見ていない方は、「理科専科がズバリ授業案を公開! 〜3年「春のしぜんにとび出そう」3授業目〜」をごらんください。
「タンポポはどんな姿をしているのかな?」
課題を確認する
『今日は何をするの』と尋ねました。すると、子どもたちから「タンポポってどんな姿をしているのかを調べる」とかえってきました。そこで、『今日の課題は…』と言うと、子どもたちからは、「タンポポはどんな姿をしているのかな?」とかえってきました。
【重要】観察前にすることは?
この後、皆さんだったらどんな声掛けをしますか?ぜひ考えてみてください。自分は…
- 視点を確認する
だと思います。発問としては、「どこに注目してタンポポを見ればいいの?」と言った感じです。この「視点を与える」という授業技術は、自分が本当に大事だなと思うものです。インスタには先に、紹介しているのですが、気になる方はそちらを見てください(いつかブログの記事で紹介します)
「どこに注目してタンポポを見ればいいですか?」という発問に対して、子どもたちからは…
葉の枚数
花の枚数
花の形
タンポポの中の様子
花の色
葉の大きさ
などといった意見が出ました。そして、『じゃあ、この部分に注目して、観察するんだよ」と伝えました。
観察する
その後、簡単に観察のルールと観察の時間を確認した後、子どもたちに自由行動をさせました。この時に、ぼん先生がやることは2つで…
・安全確保
・タイムキーパー
です。今回で言えば、2つ目のタイムキーパーが大事だったと思います。自分としては、時間内に安全に観察をしてくれれば、多少のことは目をつむります。でも、なかなか子どもって時間間隔がありません。細部にこだわるあまり、全然終わらないということも多々あります。時間制限をつけても、そんなもんです。そのため、「このままだとまずいな」っていう子には、「残り時間がこんだけだから、次行ったほうがいいよ」と言った声掛けをどんどんしていきます。
わかったことを共有する
スケッチが書けた後、教室に戻して、『分かったことをかいてごらん』と指示を出しました。子どもたちからは…
・くきは、黄緑と赤色
・花はたくさんある。数えられない
・花はバラバラにできる
など色々な意見が出ました。書き出したらきりがないほどです。ほめどころですね。
子供の姿を価値づけする
このあと、どのようにもっていくかは、教師の落としたいところによって変わると思います。落としたいところの例としては‥
・タンポポでも、AのタンポポとBのタンポポではちがうところがある
・最初に確認した視点に対する答えはなにか
・理科に対する心構え
・スケッチの良いやり方
などが挙げられると思います。自分も、ここは迷いました。でも、1番最初の単元だから、あまり専門的なことをするのはまだ早いなと思い、理科に対する心構えを次のようにして、価値づけました。
- みんなは、普段何気なくタンポポを見ているけど、よく観察したら知らないことがいっぱいあったでしょ。これが、おもしろいんよ。「え〜たんぽぽってこんな姿してたんだ。意外だな」っていった驚き!これ大きく見たらどうなんだろう?他のタンポポだったらどうなんだろう?とかそういう理科の目を鍛えていけたら素敵だよね。今日は、真剣にタンポポを見て、いろいろな発見できたのがとてもいい姿だったよ。
まとめ
最後に、NHKforschoolで、タンポポについての動画を見ました。そして、「タンポポは、100枚以上の花びらがあつまってできており、〇〇〇〇」と板書し、「これから先は、自分の言葉でまとめてごらん。分かったことから自分が大事だなと思うものを選んでかけるといいね」といってまとめを書かせました。
子どもたちは、「疲れた」と声に出していましたが、それだけ集中して見ていたのだろうと思います。
終わりに
自分がこの単元をはじめて見た時、「こんな当たり前なこと教える必要あるの?」って思った記憶があります。でも、この単元は、学校の周りにどんな植物がいるのか?とかタンポポの姿ってどんな姿なのか?とかを学ぶことを通して、私達は、「自然を見ているようで見ていない」ということを伝えるのに、ぴったりな単元だなと思います。植物って意外とよくできているんです。葉のつき方1つ取っても、そこにはたくさんの生きるすべが隠されているんですよ。そんな目を養うのは、他の単元でも真実を暴くうえで絶対に必要になると思うんです。「春のしぜんにとび出そう」についての知識を教えるのも大事ですが、それ以上に大事なことってあると思うんです。そこに重きをおけるとまた違った面白さがありますね。
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