理科専科がズバリ授業案を公開! 〜5年「ふりこのきまり」4授業目〜

ふりこのきまり

 まだ3授業目を見ていない方は、先に理科専科がズバリ授業案を公開! 〜5年「ふりこのきまり」3授業目〜をご覧ください。

<本当にふりこの長さを長くするとふりこが1往復する時間は長くなるのかな?>

板書案

復習をする

T:単元のゴールを読みましょう。せーの!

C:振り子の1往復する時間は何によって変わるのだろうか?

T:そしたら、復習をします。前回はどんな勉強をしましたか?

C:本当におもりの重さを重くすると1往復する時間は短くなるのかについてしらべました。

T:そうだね。わかったことは?

C:おもりの重さを重くしても1往復する時間は変わらなかったです。

T:そうだね。じゃあ、今日はこの続きからしましょう

問題を把握し、課題を掴む

T:そしたら、振り子の勉強で、大事な理科の言葉が3つあったよね。何かというと?

C:重りの重さ。

C:振れ幅。

C:振り子の長さ

T:ですね。じゃあ、今日はどれをするかというと…これです

C:ふりこのながさ

T:そうです。今回はふりこのながさに注目します。

T:では、予想を立ててもらうんやけど、よく聞いててね。ふりこのながさを長くしたとき、1往復する時間はどうなると思いますか?自分の考えと理由をノートに書いてください。

C:わかりました

C:できました

T:じゃあ聞いてみます。短くなると思う人?

C:…

T:長くなると思う人?

C:はい

T:変わらないと思う人?

C:はい

T:じゃあ、少なかった変わらないと思う人から教えてください。

C:はい。以前の実験で、おもりの重さを変えても1往復する時間がかわらなかったので今回も変わらないと思います。

C:分かりました。

T:では、長くなると思う人、理由を教えてください。

C:はい。以前の実験で、ふりこのながさを長くしたら1往復する時間が長くなった感じがしたからです。

C:他の意見で、ふりこのながさが長くなると、1往復するまでの距離が長くなるから、それで1往復する時間は長くなると思いました。

C:分かりました。

T:意見が分かれたね。じゃあ、真実はどっちなのかな?

C:分かりません。

T:じゃあ、今日の課題は?

C:本当にふりこのながさを長くすると、振り子の1往復する時間は長くなるのかな?

T:じゃあ、それにしよう

ということで、本日の課題は「本当にふりこのながさを長くすると、振り子の1往復する時間は長くなるのかな?」に決まりました。

実験方法を確認し、実験する

T:実験方法を立てるときに大事なことは何ですか?

C:条件制御です。

T:そうだね。条件制御って何?

C:調べたい条件だけ変えて、他の条件は同じにすることです。

T:じゃあ、今回変える条件は何ですか?

C:ふりこのながさです。

T:ふりこのながさってどこからどこまで?

C:支点からおもりの中心までです

T:そうだね。

T:じゃあ、変えない条件は何ですか?

C:おもりの重さです。

T:そうだね。おもりの重さは10gにします。

C:それと、振れ幅です

T:そうだね。振れ幅は20度にします。

T:あと、ふりこのながさねんけど、今回はグループで選んでいいです。ただし、10,20,30,40,50,60の中から選んでね。

C:どうする?

C:じゃあ、40,50,60にしよう

C:できました

T:そしたら、クロームブックに前と同じようにスプレッドシートを準備しました。これのふりこのながさを記入してください。

C:できました

T:そしたら、このあとグループに分かれて前と同じように実験してもらおうとおもいます。なにか質問はありますか?

C:ないです。

T:では、実験を始めてください!

といって、実験をはじめさせました。今回、スプレッドシートで結果を共有できるようにしたので、結果を確認する時間は省略しました。

考察する

T:じゃあ、考察をしてみてください。

C:はい

C:できました

T:じゃあ、グループで交流。

C:はい

C:できました

T:じゃあ、おしえて

C:はい

T:Dさん

C:はい。40cmのときは1.3秒だった。50cmのときは、1.4秒だった。60cmのときは1.6秒だった。このことからふりこのながさが長くなると、1往復する時間は長くなるとわかった。

C:わかりました

T:Eさんおしえて

C:はい。10cmのときは0.6秒だった。30cmのときは、1.1秒だった。60cmのときは、1.5秒だった。このことからふりこのながさが長くなると、1往復する時間は長くなるとわかった。

C:わかりました

T:DさんとEさんの考察を比べてみて、似ているところはどこですか?

C:ふりこのながさが長くなると、1往復する時間は長くなるの部分です

T:そうだね。この2人は、ふりこのながさは違うんだけど、考察は同じだね。

T:Fさん、おしえて

C:はい。10cmのときは0.6秒だった。30cmのときは1,1秒だった。60cmのときは1,6秒だった。このことから、ふりこのながさをもっと長くしたら、きっと1往復する時間はもっと長くなると思った。

T:これ納得?

C:はい

T:ペアで納得かどうかとその理由を確認

C:できました

T:おしえて

C:はい

C:Gさん

C:はい。わたしは納得です。わけはグラフを見ると、ふりこのながさが長くなるにつれて、1往復する時間が長くなっているので、もっと長くしたらさらに長くなると思ったからです。

T:じゃあ、80cmでやってみようか

C:はい

(実験中)

C:1.8秒でした

T:やっぱりそうだね

C:はい

T:ちなみに、去年こんな考察も出ていたよ

C:?

T:40cmと80cmを比べてみて、ふりこのながさが2倍になっているよね。でも、1往復する時間は2倍に

C:なってない

T:だね。つまり、比例にはならないってことね。今回ふりこのながさを自由に選ばせたけど、比例するかな?っていう見方で選んだり、意図をもっておこなえるとさらにいいね

まとめをし、ふりかえりをする

T:今日のまとめはどうする?

C:ふりこのながさが長くなると、1往復する時間は長くなる。

T:じゃあ、それにしよう

ということで、本日のまとめとして「ふりこのながさが長くなると、1往復する時間は長くなる。」に決まりました。

T:では、振り返りを書いてください。

C:はい

C:できました!

終わりに

 今回は、理科において、個別最適な学びを目指した授業をしてみました。

 自分は、個別最適な学びってなんでもありだとだめだと思っていて、それをするためには教師自身がある程度意図を持っておかないとだめだと思うんです。今回、本時で個別最適な学びを行ったのは、(1)ふりこのながさを変えても、考察は一致する自信があった、(2)前時で似たような実験をしているので委ねても大丈夫だと思ったという2点が挙げられます。

 委ねても収束できる自信があるところから少しずつやっていくこととそのためのICT活用が大事だと思います。

 続きが気になる方は、理科専科がズバリ授業案を公開! 〜5年「ふりこのきまり」5授業目〜をご覧ください。

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