まだ6授業目を見ていない方は、先に理科専科がズバリ授業案を公開! 〜6年「てこのはたらきとしくみ」6授業目〜をご覧ください。
<左右の力の大きさが違う時、水平につりあうきまりは何かな?>
板書案
復習する
T:前回からてこが水平になるときのきまりを探していますよね
C:はい
T:たとえば、20gを4の位置につるします。じゃあ、20gをどこにつるせば水平になるんだっけ
C:4のいちです
T:やってみるよ
C:お〜
T:ということで左右の力の大きさが同じ場合は
C:支点からの距離を同じにすれば水平になる
T:ということですね。じゃあ、今日はこの続きからしましょう
問題をつかみ、課題を把握する
T:じゃあ、今日なんだけど、左の腕に30gをつるします
C:はい
T:右の腕には20gをつるします。まえとどこが違う?
C:左右の力の大きさが違います。
T:そうだね。じゃあ、これって水平にすることはできると思う?
C:できます
C:できます
T:じゃあ、やってみるよ
T:どうだ!
C:お〜
T:ということで水平になりました。つまり、左右の力の大きさが違うくても水平に釣り合わせることはできるということです。そして、それにはきまりがあります。
C:どんなきまりなんだろう?
T:ということで今回はそれをはっきりさせましょう。ということで今日の課題は?
C:左右の力の大きさが違う時、水平につりあうきまりは何かな?
T:わかったよ
ということで本時の課題として、「左右の力の大きさが違う時、水平につりあうきまりは何かな?」に決まりました。
予想をする
T:どうやったら水平になると思う?ペアで相談
C:できました
T:おしえて
C:支点からの距離を変えればいいと思います
T:もう少し詳しく教えて
C:軽い方を支点から遠くにすると良いと思います
T:なるほど。たしかに、これもそうなっているもんね
C:はい
T:じゃあ、今日は「支点からの距離」、あと「おもりの重さ」に注目して実験してみましょう
C:はい
T:じゃあ、これ今回のワークシートになります。もらったら名前を書いてください
C:できました
T:じゃあ、道具を準備してね
C:はい
1回目の実験をしてみる
T:じゃあ、左の腕の6の位置に10gをつるしてください。
C:できました
T:では、水平になるのがどんな時か探してみてください
C:はい
C:できました
T:じゃあ、そろそろおしえてください
C:はい
T:Aさん
C:はい、右の腕の3の位置に20gです。
C:同じです
C:違う意見があります。
C:え?
T:Bさん
C:はい、右の腕の2の位置に30gです。
C:わかりました
T:意見がバラけたね。じゃあ、ちょっと確かめてみて
C:ホンマや。水平になった
T:どうだった?
C:どっちも水平になりました。
T:そうだね。君たちが言ってくれたのは両方とも水平になります。実は、左右の力の大きさが違うときは、水平になるパターンはいくつもあります。じゃあ、もうないんかね?
C:しらべていいですか?
T:いいですよ
C:あった
C:これもそうだ
C:もうなさそう!
T:どうでしたか?おしえてください
C:はい
T:Cさん
C:1の位置に60gつるしたら水平になりました
C:同じです
C:他にあります
T:Dさん
C:6の位置に10gをつるしたときもできました
C:同じです
T:まあ、これは左右の力の大きさはどう?
C:同じ
T:なので、今回の条件とは違いますが、これもいれておきますね。まだありますか?
C:もうないです
T:そうですね。君たちが使っている重りでは、このパターンしかつくれないとおもいます。
T:じゃあ、グループでてこが水平になるときのきまりってなんかないかな?
C:うーん
C:あ!もしかしたら
T:じゃあ、もう1個やってみようか
2回目の実験をしてみる
T:じゃあ、今度は左のうでの4の位置に20gをつるしてください。
C:できました
T:じゃあ、水平になるのはどんな時か探してみて
C:できた
C:やっぱりそうだ
C:ということはこれもそうじゃない?
C:もうないと思う
T:そろそろいいかな?
C:はい
T:じゃあ、おしえて
C:1の位置に80gをつるしたら水平になりました
C:2の位置に40gをつるしたら水平になりました
C:4の位置に20gをつるしたら水平になりました。
T:もうない?
C:はい
T:じゃあ、水平になるときのきまりってなんかないかね?グループで相談
きまりを共有し、本当に正しいのか検証する
T:じゃあ、もしかしたらでいいので、教えて下さい
C:はい
T:Eさん
C:左のうでの重りの位置と重りの重さを掛け算してでた数字と、右の腕の重りの位置と重りの重さを掛け算してでた数字が同じだったら釣り合うと思います
C:わかりました
C:どういうこと?
T:はい。グループで相談。
C:あ〜そういうことか
T:だれか詳しく教えてくれませんか?
C:はい
T:Fさん
C:はい。たとえば、左のうでのおもりの位置が6でおもりの重さが10gのときは、6×10=60になります。それで、右の腕のおもりの位置が1でおもりの重さが60gのときも、1×60=60になります。右の腕のおもりの位置が2でおもりの重さが30gのときも、2×30=60になります。右の腕のおもりの位置が3でおもりの重さが20gのときも、3×20=60になります。
C:たしかに
T:じゃあ、2つ目の実験でもあてはまるの?
C:あてはまります。
T:左の腕は、4で20gだから…
C:4✕20=80
T:右の腕は
C:1×80=80
C:2×40=80
C:4×20=80
T:本当やね
T:つまり…きまりは
C:左のおもりの位置とおもりの重さをかけたものと、右のおもりの位置とおもりの重さをかけたものがおなじになればいい
T:なるほどね。ちなみに、先生それ書くの大変だから式で表してもいい?
C:?
T:おもりの位置×おもりの重さ= この後どうなる?
C:おもりの位置×おもりの重さ
T:そうだね。「おもりの位置×おもりの重さ=おもりの位置×おもりの重さ」だね
T:でも、これってどんなときでもあてはまるんかね?
C:たぶん
T:じゃあ、この決まり使って予想をしてみよう。今回、左のうでの2の位置に50gをつるします。どうすれば水平につりあうかノートにかいてみて
C:できました
T:おしえて。
C:右の腕の1の位置に100gをつるします
C:右の腕の2の位置に50gをつるします
C:右の腕の5の位置に20gをつるします
T:もうない?
C:ないです。
T:じゃあ、これらは水平になるのか確かめてみて
C:はい
C:お〜
C:お〜
C:お〜
C:全部水平になる!
T:ということは、これってきまりっていえそうかい?
C:言えそうです!
まとめをし、ふりかえりをする
T:じゃあ、今日のまとめを書きます
C:はい
T:実は、左右の力の大きさが同じ時も左右の力の大きさが違うときも、1つのきまりで水平になる条件をつたえることができます。ということで、「てこが水平になるきまりは、〇〇である」
T:〇〇の部分をうめてもってきて
C:できました
T:OK
C:できました
T:いいですね
T:じゃあ、〇〇の部分にはなにがはいる?
C:「おもりの位置×おもりの重さ=おもりの位置×おもりの重さ」
T:ですね
といって、本時のまとめとして、「てこが水平になる決まりは、おもりの位置×おもりの重さ=おもりの位置×おもりの重さである」に決まりました。
T:じゃあ、ふりかえりをしてね
C:できました
終わりに
きまりを探す時、子どもに自由にやらせるのは、かなり難易度が高いです。(1)データがありすぎると逆にきまりが見えにくくなる、(2)きまりを見るときに、土台が揃っていないので説明がつたわりにくいといった難しさがあると思うからです。
ただ闇雲に実験をかさねていてはだめだと思います。科学者は「こうしたらこうなったか。じゃあ、こうしたらなるのでは?」と仮説を立てながら実験を行います。すべての児童にきまりを理解させるにはペースを揃えてあげることが必要だと思います。
あと、ワークシートが大事です。自分はこの結果の書き方が一番見つける確立が高いと思っています。
続きが気になる方は、理科専科がズバリ授業案を公開! 〜6年「てこのはたらきとしくみ」8授業目〜をご覧ください。
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