理科専科はどう考える?! 〜市販の自由研究セットの効果的な使い方について〜

授業観

はじめに

 今回も、大好評の自由研究について書いてみようと思います。教師の方はもちろん、保護者の方にも参考になればいいなとおもっています。

 ぼん先生は、自由研究の審査もすることがあるのですが、作品を見ていて感じることの1つに…

市販の自由研究セットを用いた作品がよくある

ということです。

 きっと、保護者のみなさんの心情としては…

・自由研究の教え方がわからない

・キットを使えば、忙しい中でもちゃんと取り組ませることができるもん

・本当は自分で考えてほしいけど・・・

といったものがあるのではないかと思います。

 ぼん先生は、市販の自由研究セットを用いた作品に複雑な思いを抱いてはいるのですが…いろんな事情があるんだろうなって思います。そこで、ぼん先生にできることはないかと考えた結果…

もし市販の自由研究を使うとしても、より子どもの理科の力がつくようなアドバイスができないだろうか

といったことを思いました。

 もし、教師のみなさんだったらどんなアドバイスをしますか?

 市販の自由研究セットを使うことを推奨するわけではないのですが、「子どもたちのために、自由研究のハードルを下げてあげることも大事」「達成感を得ることで市販の自由研究セットを使わなくてもいつかは自分で研究をできるようになるかもしれない」などの思いを込めて、ぼん先生の考えを書いていきたいと思います。

市販の自由研究セットの最大の弱点とは?

 これが一番伝えたいメッセージなんですけど、市販の自由研究セットの最大の弱点は・・・

不思議がない

ということになります。

 前にもお伝えした通り、理科とは「不思議を自分の手で真実に変える教科」であり、それは自由研究であったとしても変わりません。

・振り子の1往復する時間は何によって変わるのか?

・ゴムを使って、どうすればもっと遠くまで車を飛ばすことができるのか?

・しばらくすると、冷えたコップに水滴がつくが、この水はどこから来たのか?

など、「不思議を解決したい」という思いが理科のスタートなんです。

 ですが、市販の自由研究セットを用いた作品の多くは、不思議がないんです。「このセットを使うとこんなのができました」みたいなのをまとめて、作品として出てくるのです。ここに、ぼん先生としては違和感を感じるのです。

 つまり、市販の自由研究セットをより効果的に使う鍵は、「不思議」にあるのだと考えます。

市販の自由研究セットの効果的な活用とは…

 ぼん先生が考える、効果的な市販の自由研究セットの使い方とは…

自然体験の1つとして市販の自由研究セットを活用する

になります。どういうことかというと…

 研究の流れっていうのは大抵の場合…

不思議を見つける→予想する→実験方法を考える→実験する→結果を出す→考察する→振り返りをする

になります。しかしながら…研究の流れをこういうふうに考えている方もいます。

自然体験をする→不思議を見つける→予想する→実験方法を考える→実験する→結果を出す→考察する→振り返りをする

 ぼん先生としては、後者の考え方のほうが好きなんです。なぜかというと、不思議というのは急に出てくるものではなく、体験しながら出てくるものだと思うからです。 たとえば・・・

・虫取りをした。カブトムシもチョウも足は6本。でも、くもは8本。

 →足の数は、何本が一番多いのだろう?

・洪水で堤防が壊された

 →どうやったら堤防が壊されないようにすることができるのだろう?

といった感じです。このように、自然体験があるおかげで、不思議は見つかるんだと思います。

 じゃあ、「市販の自由研究セットも同様につかえばどうかな?」って思うんです

たとえば、水のろ過キットを使う場合・・・

T:こんなん買ってきたよ。いっしょにやらんけ?

C:水のろ過キット。なにこれ?

T:これ使ったら水きれいになるんやよ

C:え〜すごい

(やってみる)

C:すごい。

T:これって、もっときれいにすることできんのかな?

C:できそう

T:どうするの?

C:なんか、4年のときに染み込みやすさ違ったから、土じゃなく砂とかにすればいいと思う

T:砂糖とかは?

C:おもしろそう

T:じゃあ、まずはいっぱい試したいものだしてみようか

C:うん

って言った感じです。どうですか?この子の中には、「どうすれば土でろ過するよりも水をキレイにすることができるのかな?」っていう不思議が出ているように思いませんか?

終わりに

 前にもお伝えした通り、ぼん先生としては、自由研究のハードルを下げてあげたいという思いがあります。まずは、やってみる。質は後からです。「自分にも自由研究ができた」という成功体験を少しでも子どもたちに積ませてあげたいです。そうすればきっと、もっともっと理科のことを好きになる人がふえるのではないかなと思います。

 もしまだ見ていない方は、理科専科はどう考える?! 〜自由研究の指導について〜も合わせてご覧ください。

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