まだ4授業目を見ていない人は、先に理科専科がズバリ授業案を公開! 〜5年「魚のたんじょう」4授業目〜をご覧ください。
<受精直後から5日目までの受精卵の様子がどうなっているかな?>
課題を掴む
まず初めに、子どもたちと次のようなやり取りをしました。
T:前回はどんな勉強をしましたか?
C:前回は、5日目の受精卵の姿をかんさつしました
T:どんな様子でしたか?
C:目があり、メダカのような形をしていました
T:そうだね。じゃあ、今日は何をするの?
C:今日は受精直後から5日目までの受精卵の様子がどうなっているかを調べます
T:じゃあ、今日の課題…
C:受精直後から5日目までの受精卵の様子がどうなっているかな?
ということで、本時の課題である「受精直後から5日目までの受精卵の様子がどうなっているかな?」が決まりました。
ワークシートの書き方を確認する
その後、ワークシートを配りました。A4の紙を縦に3つに分けたものです。1番左には、いつの様子なのか(受精1時間後、3日後など)を書きます。真ん中には、絵を書きます。1番右には、気づいたことを文で書きます。
そして、次のようなやりとりをしました。
T:今からメダカの受精卵を見ていくんだけど、何に注目して気づいたことを書くんだっけ?
C:前とどこが変化したのかです
T:バッチリだね。
T:時間があれば、今日に絵も書きたいんだけど、まずは気づいたことだけ書いて、どんどんメダカの受精卵の様子を見ていこう
C:はい
受精直後について調べる
まず初めに、ワークシートの使い方もかねて、受精直後を見せました。受精直後の様子について子どもたちからは…
・たまご卵の中全体に小さい丸がいっぱいある
・卵の外側に毛みたいなのがある
といった意見が出ていました。
受精1時間後について調べる
その後、「じゃあ、どんなふうにかわるだろうね?」といって、受精から1時間後の写真を見せました。受精から1時間後の様子について子どもたちからは…
・丸いつぶが下の方に行った
・卵の上に膨らみがある
・卵の外側の毛が伸びたり縮んだりしている
といった意見が出ていました。その後、「卵の上に膨らみがある」という意見を取り上げ、「これが、メダカのもとになる部分である」と伝えました。これには、子どもたちもびっくりな様子でした。すると、「じゃあ、この液みたいなやつはなんですか?」という質問が出ました。そのため、「みんなは大きくなるために、ご飯を食べるよね。それは、養分を取り入れるためなんだ。でね、メダカも養分を取り入れて大きくなるんだけど、この液の中に養分があるんだよ」と伝えました。
受精1日後について調べる
その後、「じゃあ、どんなふうにかわるだろうね?」といって、受精から1日後の写真を見せました。受精から1日後の様子について子どもたちからは…
・上の膨らみが大きくなり、メダカみたいになった
・丸い粒がたまって3〜5粒になった
・中に毛みたいなのがある
といった意見が出ていました。「角度が少し変わっているんだけど、前あったふくらみはどこにいったかわかる?」と聞き、Aさんに赤ペンでなぞらせました。これで、視覚化させました。すると、「この丸い粒は何なんですか?」という質問が出ました。「何だとおもう?」と聞くと、Bさんから「目になるんじゃない?」という意見が出ました。これには、他の子も「そうかも!」という声。「まあ、後でわかるかもね」と言って、流しました。
受精2日後について調べる
その後、「じゃあ、どんなふうにかわるだろうね?」といって、受精から2日後の写真を見せました。受精から2日後の様子について子どもたちからは…
・丸い粒が1粒になった
・メダカみたいなやつが大きくなった
・目みたいなのがある
といった意見が出ました。ここでは、さっきと同じように、赤ペンでなぞらせて、視覚化をさせました。また、色はついていないが、目みたいなのがあることを確認し、さっきのBさんの予想は違うことを確認しました。「じゃあ、この粒はなんなんだろう?」とさらに疑問に思っている様子でした。
受精3日後について調べる
その後、「じゃあ、どんなふうにかわるだろうね?」といって、受精から3日後の写真を見せました。受精から3日後の様子について子どもたちからは…
・目が黒い
・体が大きくなっている
・胸ビレがある
といった意見が出ました。ここでも、さっきと同じように、赤ペンでなぞらせて、視覚化をさせました。また、目が黒っぽくなっていることを確認しました。また、胸ビレがあることを確認すると、「だいぶ、メダカみたいになってきた」という声も出てきました。
受精5日後について調べる
その後、「じゃあ、どんなふうにかわるだろうね?」といって、受精から5日後の写真を見せました。受精から5日後の様子について子どもたちからは…
・目がもっと 黒くなっている
・赤い線みたいなのがある
・体がもっと大きくなった
といった意見が出ました。ここでも、さっきと同じように、赤ペンでなぞらせて、視覚化をさせました。また、目が真っ黒になっていることを確認しました。また、「赤い線みたいなのがある」という意見を取り上げ、「これって何だと思う?」と聞きました。「君たちの体の中にもあるものだよ」というと、「けつえき?」という意見がでました。そこで、「正解。このタイミングで血液が流れて、これが心臓だよ」と教えました。そして、「結局、この丸い粒はなんだったのかわからなかったね。この後を観察したらわかるかもね」と伝えました。
まとめをする
その後、「じゃあ、まとめをするよ」と言い、「受精直後から時間が経つと、どう変化した?」と聞くと、「だんだんメダカみたいになってきた」という意見が出たので、「受精卵は、時間をかけて、大きくなり、だんだんとメダカの形に近づいてくる」とまとめました。そして、「じゃあ、この後はどうなるんだろね?」と言って、おわりました。
終わりに
子どもたちは、興味津々な様子でしたね。それは、「時間が経つとどう変化するのかな?」っていう「時間的な見方」と「前とどう違うのかな」っていう「比べる」という考え方を使っていたからかなと思います。理科の学習指導要領はよくできていますね。
気になる方は、理科専科が見方・考え方を解説! 〜『比べる』とは〜をご覧ください。
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