理科専科がズバリ授業案を公開! 〜3年「明かりをつけよう」2授業目〜

明かりをつけよう

 1授業目を見ていない方は、「理科専科が作る理科授業! 〜3年「明かりをつけよう」1授業目〜」を御覧ください(青色の部分を押すと、記事に飛ぶことができます)

<導線の長さを長くしても明かりはつくのかな?>

明かりがつくつなぎかたを復習する

 黒板に、豆電球、乾電池、導線の絵を書いて、『導線をどうつなげば明かりがつきますか?』(発問)と尋ねた。Aさんを当てると、Aさんは、乾電池のプラス極と乾電池のマイナス極に導線をつなげた。Aさんが「どうですか?」と聞くと、みんなは、「いいです」と答えた。

 『そうだよね。乾電池のプラス極、豆電球、乾電池のマイナス極を導線で1つの輪のようにつなげると明かりがつくんだったよね。さあ、みんなも明かりがつくつなぎ方を言葉で説明してみよう』(指示)と伝えた。しかし、半分以上の子は言葉で言えなかった。こればっかりは、何回も染み付くまで、言わせなければならないなと思ったが、時間もあるので程々で切り上げた。

導線を長くすると明かりがつくか予想する

 その後、『全員集合』(指示)と声を掛け、教卓に集めた。そして、『今日は、赤色の導線をめちゃくちゃ長くします。赤色の導線を乾電池のプラス極、青色の導線を乾電池のマイナス極につなげます。明かりはつくと思いますか?ノートに自分の考えを書きましょう』(指示)と伝えた。

 しばらくしてから、『つくと思う人?』『つかないと思う人?』(発問)と確認をした。結果は、全員が「つく」と答えた。そこで、理由を尋ねた。Bさんは、「導線が乾電池についているから」と答えた。この理由ではダメなので、『もう少し詳しく教えて』(指示)と問い返した。しかし、Bさんは止まってしまった。そこで、『だれか、Bさんのかわりに説明できる人はいますか?』(発問)と尋ねた。

 Cさんを当てると、「導線は長いけど、乾電池のプラス極、豆電球、乾電池のマイナス極が導線で1つの輪のようにつながっているから明かりがつくと思います」と答えた。そこで、「Bさんもそれを言いたかったの?」とたずねると、Bさんは「はい」と言った。そこで、「なるほど。導線を乾電池のどこにつなぐかを言えるとよかったね」と伝えた。

導線を長くすると明かりがつかないという予想との出会い

 他の子にも意見を言わせたが、似たようなものばっかりだった。そこで、『先生は明かりはつかないと思うよ』(説明)と伝えた。

 すると、子どもたちから「どうしてですか?」と聞かれた。そのため、『今回は導線が長いから、電気が途中で力尽きると思うから』(説明)と伝えた。そして、ダメ押しで、『導線が長くてもいけるなら、〇〇市役所からうちの学校まででも行けるってこと?それは無理じゃない?』(説明)と伝えた。これには、子どもたちも「うーん。確かに」と言った様子だった。

 『意見が変わる人はいますか?』と尋ねたが、「いや!変えない」という声!そこで、『今日の課題はどうする?』と尋ねた。すると、「導線の長さを長くしても明かりはつくのかな?」になった。

明かりがつくかどうかの実験

 でも、この課題はすぐに解決した。子どもたちに実験キットを渡して、実験させてみると、明かりがついたからである。そこで、「導線の長さを長くしても明かりはつく。」とまとめをした。

 そして、豆電球、乾電池、導線のイラストを書いて、『やっぱり、乾電池のプラス極、豆電球、乾電池のマイナス極を導線で1つの輪のようにつなげると明かりがつくんだね』と言い、板書した。子どもたちがノートを書き終えたことを確認して、『じゃあなんで明かりがつくのかというと、乾電池には電気がたまっていて、このようにつなぐと電気が流れるからだよ。そして、この電気の通り道のことを回路と言うよ』(説明)と教えた。板書もして、子どもたちにもノートに書かせた。そして、『もし回路が切れていたら、電気は…』というと、子どもたちは「通れない」と答えた。『そう!だから、回路が切れていたら明かりはつかないんだよ』(説明)と教えた。(教えるところは教える。考えさせたいところは考えさせるというメリハリが大事だと思っています)

正しく繋いでも明かりがつかない理由を考える

 その後、『集合』(指示)と言って、みんなを集めた。(豆電球を緩めた状態にして)『明かりをつけてごらん』(指示)と伝えた。子どもたちは、乾電池のプラス極とマイナス極につなげるが明かりはつかず。これには、思わず「えっ!」という声!

 『どうして明かりがつかないんだと思う?』(発問)と問いかけ、調べさせた。『分かった子は、先生に言いに来て』と伝えた。すると、だんだんと分かっている子が増えてきた。そして、全員で確認すると「豆電球がゆるんでいるから」と答えてくれた。

 そこで、どうして豆電球がゆるんでいたらいけないのかを教科書を使いながら説明した。ただ使う知識は「回路が切れていたら、明かりはつかない」ということである。東京書籍の「理科の広場」は、ただ話すだけではイメージが沸かない子もいる。そこで、体験させてから説明をすることが必要だとじぶんは考えている。そして、『もし正しいつなぎ方をしてもつかない場合は、豆電球がゆるんでいるかフィラメントが切れているかだと思うのでそこを確認してみてね』と言って、この授業を終えた。

終わりに

 電流は、4年生でも学習する大事な単元なので、基礎基本をしっかり定着させることが大事だなと思う。子どもたちは、なんとなくのイメージをもててはいるが、言語化することができていない。そこで、「体験と言葉を結びつけること」が今後も必要だろうなと感じている。

 続きが気になる方は、「理科専科がズバリ授業案を公開! 〜3年「明かりをつけよう」3授業目〜」を御覧ください

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