<電磁石って何かな?>
磁石について学んだことを確認する
単元の導入ってやっぱり大事ですよね。自分の中で、理科の導入って3パターンあるかなとおもっています。
- 教材で興味を惹かせる(「えっ」っている声が出れば最高ですね)
- 本単元に関係する知識を想起させる(既習や生活経験など)
- 自由に体験させて土台を揃える
じゃあ、今回はどれを選んだかというと…
「2.本単元に関係する知識を想起させる」です。それを選んだ理由は、2つあります。
- 「電磁石」は「磁石」と名前が似ており、子どもたちは「磁石」を想起するのが自然だから
- 子供が問いを見出すときに、磁石と結びつけながらかんがえてほしいから
です。
そのため、「じしゃく」と黒板に書いたあと、『じしゃくについて学んだことはなんですか?』と尋ねました。すると、子どもたちからは次のような意見が出ました。
・S極とN極がある
・同じ極同士だとしりぞけあう。違う極同士だと引き合う
・鉄だけ磁石につく
・磁石につけた鉄は、磁石のようにふるまう
・磁石と鉄の間につかないもの(Ex.下敷き)があっても、磁石に鉄はつく
・地球も、S極とN極がある
・方位磁針の針に、磁石を近づけると針がうごく
これだけ出たのはびっくりだったので、『さすが5年生!すごい』とほめました!
そして、その後に、『でもね、今からやるのは、磁石じゃなくてね…電磁石なんだ!』と伝えました。
子どもたちは、「えぇ!電気の磁石?なにそれ!」となりました。もちろん聞いたことがある人は、0人!
そこで、『じゃあ今日は、電磁石って何かを知ろうね!』と言って、本時の課題を書きました。
電磁石を作る
この後、自分は何をしたかというと、本物の電磁石(コイルに鉄芯を入れたもの)を見せました。これがめちゃくちゃ大事だと思います。
ここで、「電磁石とは…」と言葉で語ってしまうと、小学生はわからなくなります。まずは、イメージが先!そして、その後に理科の言葉で抑えていく!これは知識を身に着けさせる上の鉄則だとおもいます!
見せた後は、『じゃあ、今からこれをつくるよ』といいました。子どもたちはワクワクです!
『作り方を板書するね。みんなも書いてね』と言って、黒板に『①コイルを作る』と書きました。子どもたちは、「?」となりました。そこで、『困ってる顔したけど、どうしたの?』と聞きます。すると、子どもたちは「コイルって何ですか?」と聞きます。
だから、本物を見せながら、「導線をくるくる巻いてあるでしょ。これがコイルだよ」とった得ます。そして、黒板にも『導線を巻いたもの』とメモしました。
そして、ここでみんなを集めて、教師の演示を交えて、コイルの作り方を教えました。
『まず、ここにひっかけて、5回くらい巻くでしょ。そしたら、本体の部分にくるくる巻いていくよ。このときにコツがあってね、導線があっちいったりこっちいったりするのはだめだからね。さあ、やってごらん』といったようにです。
言葉で教えるより、実際にやってあげたほうが、何倍も子どもたちはイメージがわくし、教師と子どものズレが減るので、直しをしなくて良くなります。
コイルができたら、コイルをテーブルに置かせて、黒板に『②鉄芯をいれる』と書きました。鉄芯は、漢字からイメージがついたようでした。そのため、「これ出して。そしたら、入れてね」と言って終わりました。
その後に、「そしたらね、じゃじゃん!鉄のクリップです。これを近づけると…。さあ続きはやってごらん」といいました。子どもたちは、急いで準備します。しかしながら、何秒後には「え?何も起こらないよ」という声(自分はあえて何も起きない状態も体験させます!普通は何も起きないのに電流を流すとじしゃくになるという衝撃を実感させるには、これが必要だと思っているからです)
『そうなんです!実はこのままでは、何も起きないのです!じゃあ、後は何がいるかというと…』というと、子供から「電気?」という声が!
『そうなんです。電気を流すと…さあやってごらん!』といいました。子どもたちは、急いで準備します。
『わあ!すごい。鉄がついた』という嬉しそうな声!(これが理科をしていて嬉しい場面の一つですね)
電磁石を体験してみる
『じゃあ、電磁石について色々調べてみようか。どんなこと調べたい?』と尋ねました。
今回は、3つの意見がでました。
1.鉄のクリップは鉄芯以外につくのか?
2.電流を流すのを止めるとどうなるのか?
3.鉄芯をただの鉄の釘に書いてもじしゃくになるのか?
でした。
まずは、鉄のクリップは鉄芯以外につくのか?です。
子どもたちは、導線や乾電池やスイッチやコイルなど色んなところを調べていました。しかしながら、鉄がつくのは鉄芯のところだけでした!
次に、電流を流すのを止めるとどうなるのか?です
子どもたちは、鉄芯に鉄の釘をつけ、そして、「3!2!1!」と言ってスイッチを切りました。すると、鉄の釘はポトッとおちました。これには、「おぉ〜」という声
『なんで落ちたのかな?』と尋ねると、『電磁石は電流が流れているときは磁石になるけど、電流が流れないと磁石にならないから』と答えていました。コイルと鉄芯だけのときに鉄の釘を近づけたのがここで活きたのかなと思いました。
最後は、鉄芯をただの鉄の釘に書いてもじしゃくになるのか
これは意見がバラけると思ったので、『鉄の釘はつくと思う』とたずました。
結果は、ちょうど五分五分!
もちろん真実を知るには、じっけんをするしかありません。これも準備をした後、「3!2!1!」と言って、鉄の釘を近づけます。結果は…ちゃんとつきました!
『ここから、どんなことが分かったの?』とたずねると、「じしゃくになるかどうかは、中の鉄芯の大きさとは関係ない」と答えていました。
そのときに、「先生。電磁石にも極ってあるんですか?」と聞かれました。その発言に「ラッキー」と思いました。なぜなら、それを次回やるつもりだったからです。もちろん、導入で磁石の復習という仕掛けをしていたので、出てほしいとは思っていたのですが…
『みんなは、電磁石に極ってあると思う?』と尋ねました。「たぶんある!」「ないと思う」といったいろんな声!『じゃあ、次回はその不思議を真実にかえてみようね。じゃあ、今日のまとめだよ』と言いました。
まとめ
『コイルに鉄芯を入れ電流を流すと鉄を引き付ける。これを電磁石という。』
そして、全員でまとめを書いた後、『振り返りを書きましょう』と言って終わりました。
続きが気になる方は、「理科専科がズバリ授業案を公開! 〜5年「電磁石」2授業目〜」を御覧ください。
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