理科専科はどう考える?! 〜3学期の授業開き〜

質問

はじめに

 冬休みの質問シリーズ第2弾!前回は、「ぼん先生は、冬休みの間に何をされてますか?」ということについてお答えをしました。まだご覧になっていない方は理科専科はどう考える?! 〜冬休みの過ごし方〜を御覧ください。

 今回の質問は、「3学期の授業開きはどのように行うのですか?」です。授業開きはとっても大事だと思うので、こちらについてお答えしようと思います。

3学期の授業開きはどのように行うかというと…

結論から言うと・・・

1学期みたいなことは特にしません。普通に授業に入ります

「え!どういうこと?」「1学期のときは、しっかりやっていたのに・・・」って思われた方もおられるかと思います。でも、特に何もしません。普通に授業に入ります。それにはちゃんと理由があります。

大前提として…

 まず、私達教員が理科でやらないといけないことは、学習指導要領にかいてある力をどの子にもつけることだと思います。具体的には…

自然に親しみ,理科の見方・考え方を働かせ,見通しをもって観察,実験を行うことなどを通して,自然の事物・現象についての問題を科学的に解決するために必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 自然の事物・現象についての理解を図り,観察,実験などに関する基本的な技能を身に付けるようにする。
(2) 観察,実験などを行い,問題解決の力を養う。
(3) 自然を愛する心情や主体的に問題解決しようとする態度を養う。

              引用「【理科編】小学校学習指導要領(平成29年告示)解説」

です。

 じゃあ、なぜ1学期はあれだけ丁寧に授業開きをしたのかというと、「バラバラな状態の子どもたちの土台をそろえたかったから」です。詳しく解説します。

1学期の授業開きはなぜ丁寧に行ったのか?

 まず、今年度担任するクラスの子は、前の学級でうけた授業の影響をモロに受けます。もちろん理科の得意な先生の授業を受けた子と理科が苦手な先生の授業を受けた子では理科に対する捉え方が全然違います。一番顕著なのは、「理科ってどんな教科と問われたときに、なんと答えるか?」ということです。

 今までいろいろな子を見てきたのですが多かった回答は、「実験する教科」「車を動したり磁石で遊んだりする教科」といったものです。子どもたちからすれば理科って楽しいんだと思うんです。でも、それは教科の本質としてのおもしろさではなく遊びとしてのおもしろさであることが多いです。

 自分はやっぱり理科の面白さって「自分で疑問を見つけて、予想をし、実験方法を考え、実験し、考察し、また新しい疑問をみつける」といった問題解決の面白さであってほしいと思っています。そこの前提がズレるのは嫌なので、4月に口頭で伝えたり、授業で実感させたりします。だからこそ、4月はその土台を揃えるために、あれだけ丁寧に授業開きをしたということになります。

 また、問題解決の力は、「疑問を見つける力」(3年)、「根拠のある予想を立てる力」(4年)、「実験方法を考える力」(5年)、「多面的に考察する力」(6年)といったふうに学年ごとに重点が決まっています。それは前の学年で理科の得意な先生の授業を受けた子であっても知らないと思うので、「今年はこれをがんばるんだよ」っていうのを教えているといった役割もあります。

2学期、3学期の授業開きは?

 じゃあ、2学期や3学期は「特に何もしません。普通に授業に入ります」っていうのはなんでかというと、

①土台が揃っていて、わざわざ授業開きをする必要がないから

②口で問題解決の力について説明するよりも、実際にやらせたり褒めたりしながら指導していくほうが効果的だと思うから

③楽しい授業を早く味わさせてあげたいから

の3点が挙げられます。

 冬休みが明けたら子どものテンションは下がっています笑 それは、教師だってそうじゃないですか?自分としては、そんな時に難しい話をされるより、楽しい授業をされる方がよっぽど嬉しいです。

 ほんで、「え!ちゃんと比べて疑問を見つけられたね!」とか「条件制御についておぼえているなんてすごいね」って褒められると子どもは嬉しいし、冬休み明けで忘れている子も具体的な場面とつなげて復習できるから思い出しやすくなると思うんです。 だからこそ、1学期のような授業開きはせず、普通に授業に入ります。

3学期の1授業目について

 でも、3学期の1授業目は全力をつくします。前どこかでも話したと思うんですけど、理科に対して「楽しそう」って思えば子どもはやる気がでますからね。そういう意味での「授業開き」は大事にしてます。そのために・・・

①子どもが楽しいと思うようなネタを準備する

②2学期までに指導したことをできている子を全力で褒める

といった2点を意識して1発目の授業に取り組みたいと思います。

終わりに

 ただ、これはぼん先生の場合の話です。もし今から理科について学びたいとか力を入れて授業したいと思っている方は、4月の授業開きを3学期の1発目で扱うのはOKだと思います。

 みなさんにとっては、3学期は締めの時期かもしれませんが、子どもたちにとっては6年間のうちの1部です。いまからやっても遅すぎるということはないと思います。

 ちなみに、ぼん先生は、土居先生から音読について学んでいます。そして、学んだことを3学期から取り組もうと思っています。土居先生も1学期に時間をかけて「音読の仕方」を指導して、子どもたちに力が身についてきたらだんだん手を離していっているんだなっていうのがよくわかります。自分も理科においては近い感覚です。

 眼の前の子どものために最善を尽くす。それに早いも遅いもありません。ぜひ、一緒にがんばりましょうね。

  他の授業開きシリーズについて気になる方は、「理科専科はどう考える?! 〜理科の授業開き〜」理科専科はどう考える?! 〜理科の授業開き〜」「理科専科は、授業開きってどうするの?! 〜3生編〜」「理科専科は、授業開きってどうするの?! 〜4生編〜」「理科専科は、授業開きってどうするの?! 〜5生編〜」「理科専科は、授業開きってどうするの?! 〜6年生編〜」を御覧ください。

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