まだ2授業目を見ていない方は、先に理科専科がズバリ授業案を公開! 〜5年「魚のたんじょう」2授業目〜をご覧ください
<メダカの受精卵はどうやってメダカの子どもになるのかな?>
復習をする
まず初めに、子どもたちと次のようなやり取りをしました。
T:前回はどんな勉強をしたかな?
C:メダカの飼い方を調べました。
T:そうだね。じゃあ、ペアで確認!
C:(話し合う)できました。
T:でね、前回オスとメスを飼う理由も説明したよね
T:メスは卵を生むため、オスは精子を出すため
T:ほんで、たまごと精子が結びつくことを・・・
C:受精
T:そうだね。受精すると生命が誕生するんだよ
T:受精した卵のことを…
C:受精卵
T:ばっちりだね
今日の課題を掴む
そして、受精卵の挿絵を黒板に貼り、次のようなやりとりをしました。
T:これが受精卵
C:なんかつぶつぶがある
C:うようよしている
T:ほんで、これがなんやかんやあって、こうなるの(メダカの子どもの写真を貼る)
C:メダカの子どもだ
T:比べてみて、姿どうけ?
C:ぜんぜんちがう
T:じゃあ、今日の問題ねんけど、受精卵ってどんなふうに変化してメダカの子どもになるとおもう?つまり、この途中過程どんな感じやろう?ってこと
C:うーん。たしかに
T:じゃあ、今日の課題は?
C:メダカの受精卵はどうやってメダカの子どもになるのかな?
T:じゃあ、それにしよう
と言った感じで、本時の課題「メダカの受精卵はどうやってメダカの子どもになるのかな?」が決まりました。
予想をイメージ図にかき、意見を共有する
そして、ワークシート(左に受精卵、右にメダカの子ども、真ん中が白紙)を配り、「じゃあ、この途中過程がどうなのか、あなたのイメージをかいてみて」と指示を出しました。
「できました!」という声が何人か出てきたので、その子達には、「写真を撮って、クロームブックのクラスルームにあげといて」と指示を出しました。目的は、他の子が書いたイメージを自由に見れるようにしたいということです。
しばらくすると、全員が完成したようなので、「何種類の考えがあるのかを考えてみよう」と声掛けをしました。大きく分けると…
①ももたろう説(たまごがおおきくなっていって、やがてたまごがパカンと割れて、メダカがでてくる)
②卵がメダカに変化する説(卵がだんだん平べったくなって、それがメダカになる)
③中でだんだんメダカの形になっていく説(泡みたいなやつが次第に変化していって、やがてメダカになる)
④脱皮説(卵がメダカの形にだんだんなっていって、やがて脱皮する)
⑤ポニョ説(ポニョみたいに卵からすぐにメダカの赤ちゃん出て、餌食べだして、メダカの子どもくらいになる)
といった意見が出ました。子どもの発想は豊かでしたね。ただ、仲間分けをするのはむずかしかったです。キーワードを聞き取り、微妙なニュアンスの違いを聞かないといけないので…
解剖顕微鏡の使い方を知る
その後、子どもたちとは次のようなやり取りをしました。
T:じゃあ、どの説が一番近いのかを実際にみながら確かめていこうね
C:はい
T:集合
T:ちなみに、受精卵ってどれくらいの大きさだと思う?
C:これくらい?(指でだいたいをつくる)
T:なるほど。ちなみに、この挿絵の中に書いてあるんだけど
C:これ?
T:そう。実は、イラストじゃなくて、この黒い点が実際の受精卵の大きさなんだよ
C:ちっちゃ
T:そうなんだ。だから、目で観察するのはむずかしいね
C:むしめがね?
T:なるほど。それもいいアイディアだね。ただ、5年生では、これをつかうよ
C:えっ!
T:これは、解剖顕微鏡というよ。これを使って観察するよ
C:顕微鏡って聞いたことある!
T:ちなみに、これ使ったことある人?
C:(シーン)
T:じゃあ、これの使い方を教科書で確認し、1回使ってみよう
C:はい
T:でも、その前にノートにメモするよ
そういって、ノートに「メダカの受精卵は1mm。ちいさいから、解剖顕微鏡でかんさつする」と書きました。そして、教科書の使い方を確認しました。そして、実際にやってみせました。このとき、2つのことは時間をかけて教えました。
①日光を直接当てない。日光に直接当たると、反射鏡が日光をはね返して、目に日光がはいる。これは、非常に危なく、目を痛める
②レンズをできるだけ近づけて、はなしながらピントを合わせる。逆にしちゃうと、レンズが観察したいものとあたって、最悪割れてしまうから
そして、グループに分けて、実際に使いました。インゲンの子葉を見たり、消しカスを見たりしていました。ほんで、「じゃあ、今度はメダカの受精卵を観察しようね」といって終わりました。
終わりに
受精卵からどうやって子どもになるかを予想させることで、自分の予想と比べながら、観察するようになります。そして、そのズレが子どもたちに、意外性を与えたり、この後どうなるんだろうという好奇心を引き出したりします。自分は、ズレ(比較)ってすごい大事だなって思います。もし気になる方は、理科専科が見方・考え方を解説! 〜『比べる』とは〜をご覧ください。比較について自分が考えたことを示してあります。
続きが気になる方は、理科専科がズバリ授業案を公開! 〜5年「魚のたんじょう」4授業目〜をご覧ください。
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