理想の授業は、ズバリ…
みなさんは、理想の授業ってありますか?
「楽しい授業」「分かる授業」「主体的で対話的で深い学びがある授業」など…色々な意見があると思います。
じゃあ、ぼん先生はどうなのかというと…自分にとって理想の授業とは、「教師ができるだけ出ない授業」だと思っています。これを追い求めて、日々試行錯誤を繰り返しています。では、どうしてぼん先生はその結論に辿り着いたのでしょうか?
ということで、今日は、どうして教師ができるだけでない授業を追い求めているのかについてお話をします。
理想の授業のきっかけ
みなさんは、衝撃を受けた授業ってありますか?
自分は、大学4年生のときに見た授業です。その授業の何がすごいのかっていうと45分間で、O先生がしゃべった回数が3回だけだったんです。
挨拶が終わると…
こどもたちで勝手に復習をして
こどもたちで勝手に課題を決め
こどもたちで勝手に実験をして
こどもたちで勝手にまとめをして
ほんで、終わったんです。でも、授業のねらいはしっかり達成しているんです。
自分は、初めてその授業を見たとき、「気持ち悪い」って思ったんです。なぜかというと、今まで描いてきた授業のイメージ(教師が子どもに教える)と、かけ離れていたからなんです。でも、子どもたちがどんどん主体的に動く姿、うーんと考え込む姿、そして、友達と話す中で「なるほど」と分かる姿を見ているうちに、「すげぇ」って思いに変わったんです。そして、「自分も、いつかこんな授業をやってみたい」と思ったんです。
理想の授業への挑戦
昨年の夏休み。たまたまO先生と出会い、色々なことをアドバイスしていただきました。そして、最後には、「まずは、やってごらん」と背中を押されました。作戦はしっかり練ったうえで、見様見真似でやってみました。しかしながら、悲惨な結果で終わりました。
今でも、あの時のはがゆさは心に残っています。そして、その授業を終えた後、「自分は、あの子たちに本当の意味での問題解決能力をつけられていないんだな。できているように思えていたが、それは教師の発問や誘導があったからなんだな」と思わされました。
でも、やってもやっても「理想の授業」とは程遠く、だんだん子どもたちも理科に対する思いが離れていく様子が見えてきました。
理想の授業に向けてのアドバイス
そこで、N先生に相談しました。この方は、大学の時にお世話になった先生であり、O先生の師匠です。「全く、うまくいきません。どうすればいいですか?」と聞きました。するとN先生は、「ぼん先生は、1年目の時にベテランの先生の授業を見せられて、『こんな授業をしてみて』って言われたらできたかな?」と聞かれました。「無理です。だってどうすればいいのかわからないですもん」と答えました。すると、N先生から「それは子どもたちも同じだよ。ぼん先生は、指導教員から色々なことを教えてもらい、少しずつできることを増やしていったでしょ。理科も同じ。考察を子どもたちの力だけでさせたいなら、考察のさせ方を教えなければならない。教えて、やらせてみて、失敗もさせて、やがて子どもたちは、自分たちの力でできるようになるんだよ」って言われました。自分は、とても「ハッ」とさせられました。そして、子どもたちができない理由は、自分の指導不足だったんだなということを痛感しました。
理想の授業に向けての課題
そして、自分なりに悩んでいることや足りないと思ったことを全部書き出しました。
- どうやったら、教師の誘導無しで教師の落としたいところに落ちるんだろう
- どうやったら、価値ある問いを子どもたちで見つけられるんだろう
- どうやったら、自分たちで課題を作れるんだろう
- どうやったら、根拠のある予想が立てられるんだろう
- どうやったら、実験方法を考えられるようになるんだろう
- どうやったら、実験で見てほしいところが子どもは見てくれるのだろう
- どうやったら、課題に合わせて考察がかけるようになるのだろう
- どうやったら、時間内に問題解決ができるのだろう
- どうやったら、新しい問いが生まれるのだろう?
こうやって見てみると、どれも難しい問題でした。そこで、「いきなり全部は無理だ!」と割り切って、まずは一番悩んでいる所から取り組もうと思いました。それで、その時1番悩んでいたのが「教師の誘導無しで、教師の落としたいところ(=ねらい)にどうやったら落ちるんだろう」だったんです。
終わりに
こうして見てみると、自分が「教師ができるだけ出ない授業」を理想としているのは、O先生との出会いが大きいんだなと思います。「楽しい授業」「主体的で対話的で深い学び」などってすごい大事だなと思うけど、それって具体的な姿がイメージしにくいなって思うんです。でも、O先生の場合、自分の授業という具体でそれを語ってくれました。じぶんは、その姿にかっこいいなって思ったし、それに応えた子どもたちもかっこいいなって思ったんです。そして、そんな授業を自分の受け持っているあの子たちと共に作りたいって思ったんです。
そのためにも、上記のような問題と日々向き合いながら、一歩ずつ歩んでいるのです。
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