2授業目を見ていない方は、「理科専科がズバリ授業案を公開! 〜6年「水溶液の性質」2授業目〜」を御覧ください。
<5つの水溶液を蒸発させると、どうなるのかな?>
復習をする
『今日は、何をするの?』と尋ねると、「蒸発させる」と答えた。そのため、『そうだね。今日は、5つの水溶液を蒸発させて、どんな違いがあるのかを見てみよう。じゃあ、今日の課題は?』と聞くと、「5つの水溶液を蒸発させると、どうなるのかな?」になった。
予想する
その後、『5つの水溶液を蒸発させると、どうなると思う?もしかしたらでいいので、予想を書いてください』と伝えた。しばらくすると、「できました」の声!全員が書き終えたのを確認してから、『では、予想を教えて下さい』と伝えた。
Aさんと聞くと、「食塩水は、白いものがでる。炭酸水は、茶色いものがでる。アンモニア水は、においが強くなる。塩酸は、においが強くなる。石灰水は、白いものがでる」と答えていた。「つけたしです」というBさん。Bさんは「アンモニア水は、何も出ないし、塩酸も何も出ないと思います。」と答えていた。「別の意見です」というCさん。Cさんは、「自分は、アンモニアは茶色いものがでると思います」 と答えていた。あとは、長いので省略します笑
全員の予想が出た後に、『予想の共通点ってあるかな?』と尋ねた。しかしながら、子どもたちの反応はあまりよくなかった。そこで、次のようなやり取りを行った
T『先生は、ざっくり2パターンに分かれると思っていて、左側は…』
C「蒸発すると出てくるものに関係している」
T『そうだね。見た目だね。じゃあ、こっちは?』
C「におい」
T『じゃあ、今日は何に注目してみればいいかと言うと…』
C「みためとにおい!」
T『じゃあ、その2つに注目して、今日は実験してみよう』
こうして、子どもたちと対話しながら「見た目」「におい」という2つの視点に着目するように指示を出した。(実験前に視点を与えるのは、とても大事だと思っています。)
実験方法の確認
『教科書を開きましょう。時間をあげるので、やり方を確認してください』と伝えた。子どもたちは、真剣に読み始め、しばらくすると、「読めました」との声!
『準備するものは何ですか?』と聞くと、
・水溶液
・蒸発皿
・ガスボンベ
・金網
・保護メガネ
・その他多数
などといった意見が出た。
『では、実験で気をつけることはなんですか?』と聞くと
・石灰水や塩酸がつくと、目や皮膚などをいためるので、注意して扱う
・蒸発皿に顔を近づけたり、においをかいだり、出てきた気体をじかにすいこんだりしない
・やけどをするので、熱したものにさわるときには、よく冷めてからにする
などといった意見が出た。
『実験のやり方で質問はありますか?』と聞くと、「特にありません」という意見が出た。
このように、教科書を読ませた後は、実験前にこの3つの発問を必ずしている。そうすることで、子どもたちは、「そこに注目して読めばいいんだな」という意識がついてくるはずである。
その後、『実験のポイントが2つあります』と伝え、黒板に書きながら説明した。2つのポイントとは…
- ・ 水溶液は、500円玉くらいの大きさで入れる
- ・ 蒸発皿は、るつぼバサミで挟んで、段ボールの上に置いてください。濡れ雑巾の上に置くと割れてしまう可能性があるからです。
である。この時、500円玉がイメージつかない子もいるので、大体の大きさを黒板にかいておいた。
では、『全体を通して、質問はありますか?』と聞くと、「ないです」とのことだったので、『では、はじめてください』と言って始めさせた。
実験する
ここからは、Aグループの実験の様子を紹介する。Aグループは、塩水→炭酸水→塩酸→アンモニア水→石灰水の順で実験を行っていた。
塩水は、白いものが出ていた。これには、みんな「そうだよね」っていう感じだった。
炭酸水は、あまり変化がなく、そのまま水がなくなっていった。
塩酸は、そのまま水がなくなっていったが、蒸気を手であおぐと、「ウッ!」と子どもたちはなっていた。「刺激臭だ」という声!
アンモニア水は、そのまま水がなくなっていった。「絶対、においするやん」って言いながら、蒸気をかいでみると、「ウッ!」と子どもたちはなっていた。
最後に、石灰水だが、白いものがでてきたが、匂いは何もしなかった。
結果の確認
その後、すべてのグループの実験結果を確認した。
塩水 … 白いものが出るが、においはない
炭酸水 … 何も出ないし、においもない
塩酸 … 何も出ないが、においはする
アンモニア水 … 何も出ないが、においはする
石灰水 … 白いものが出るが、においはない
ということで全員納得していた。
『じゃあ、今日の課題は「5つの水溶液を蒸発させると、どうなるのかな?」だったよね。これのまとめを自分でかいて、持ってきてください』と伝えた。自分は、考察かまとめのどっちかで、自分の言葉で書く時間を確保したいと思っている。今回は、考察はしにくい課題だとおもったので、まとめでやらせた。多くの子は、実験結果を使いながらうまくまとめを書いていた。
水溶液に溶けているものは2種類あることを知る
まとめを書き終えた後、『塩水から出たこの白いものって何だと思う?』と尋ねると、子どもたちは、「塩」と答えた。『じゃあ、石灰水から出た白いものって何だと思う?』と尋ねると、子どもたちは、「石灰」と答えた。
そこで『塩水や石灰水みたいに白いものが出てくる水溶液もあるんだよ。それでの。白いものが出てくるのはなぜかというと水に固体を溶かしているからなんだよ。』と教えた。そして、『じゃあ、炭酸水や塩酸やアンモニア水は、白いものが出てこなかったよね。これは、水に気体を溶かしているからなんだよ』と教えた。
その後、振り返りを書かせた。「じゃあ、アンモニア水や塩酸や炭酸水にはどんな気体が溶けているのかな」という疑問が出たら、最高だったけど、今回はだれも出ていなかった。
続きが気になる方は、「理科専科がズバリ授業案を公開! 〜6年「水溶液の性質」4授業目〜」をごらんください。
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