理科専科がズバリ授業案を公開! 〜6年「水溶液の性質」4授業目〜

水溶液の性質

 3授業目を見ていない方は、「理科専科がズバリ授業案を公開! 〜6年「水溶液の性質」3授業目〜」を御覧ください。

「炭酸水にはどんな気体が溶けているのかな?」

復習する

 まず初めに子どもたちとやり取りをしながら復習をしました。

T 5つの水溶液を蒸発させるとどうなりましたか?

C 食塩水と石灰水は白いものが出ました

C アンモニア水と塩酸はツンとした匂いがしました

T そうだね。食塩水と石灰水は白いものが出てきたということは、何が溶けた水溶液って分かるんだっけ

C 固体です

T じゃあ、残りの3つは?

C 気体です

 こんな風に、テンポよく復習ができるのは6年生の強みですね。

 その後、『塩酸とアンモニア水と炭酸水は気体が溶けている水溶液って勉強したよね。塩酸とアンモニア水は中学校でどんな気体が溶けているのかを勉強します。でも、炭酸水はみんなも知っているある気体が溶けているんだよ』とつたえました。すると、「え〜なんだろう?」という声!『じゃあ、今日の課題は?』と聞くと「炭酸水にはどんな気体が溶けているのかな?」に決まりました。

知っている気体を確認し、実験方法を考える

 『じゃあ、知っている気体ってなにあるかな?ノートに書いてみて』と指示を出しました。しかしながら、あまりペンが進まない様子!そのため、途中で『わからない子は、教科書の前のページとか見てもいいよ』と伝えました。

 その後、知っている気体を確認したところ…

窒素

酸素

二酸化炭素

その他

という意見が出ました。そして、その後に、『じゃあ、どんな実験をすれば確かめることができるかな?』と尋ねました。自分の中で、今日はこれがメインです。しばらく時間を渡しましたが、これも子どもによってペンの進み具合が違います。そこで、『わからない子は、教科書の前のページとか見てもいいよ』と伝えました。本当は1学期にやったのですが…ダメでしたね。

 『じゃあ、どんな実験をすればいいか教えて下さい』と言うと…

  •   石灰水を入れて、白く濁れば二酸化炭素
  •   火を入れて、激しく燃えれば酸素
  •   両方とも違ったら、窒素

という意見が出ました。そこで、『あれ?って思う意見ない?』と問い返しました。そして、グループで相談させました。すると、あるグループから「両方とも違ったら窒素がおかしいと思います。その他の可能性もあるからです」という意見が出ました。これには「確かに」という声!『じゃあ、どうすればいいんかね?』と尋ねると、「気体検知管をつかえばいいのでは?」との声!自分としても「なるほど」と思いました。窒素の気体検知管はないのですが…、この発想自体はすごく素敵ですよね。『とりあえず、酸素か二酸化炭素なら特定できそうだね。もし両方とも違ったら、また別の方法を考えよう。あと、気体検知管は高いから今回はなしね」と伝えました。

 そして、教科書を見ながら、実験に必要な道具と実験方法を確認させました。

実験する

 まず初めに、ゴム管を新品の炭酸水につけ、水上置換法でなぞの気体を集めます。予備で2本買ったのですが、1本で十分気体を集めることができました(もし、あんまり出が悪いなと思ったら、ペットボトルを押すとたくさん出ました)。

 その後、線香を入れました。「3!2!1!」の掛け声でいれると、火は消えました。次に、石灰水をいれました。すると、一瞬で白くなりました。これには「お〜」という声!脱線も多いのですが、反応がいいのが6年生の良さですね。

【重要】考察する(「多面的に考える」について教える)

 『では、考察を書きましょう』と伝えました。6年生になると、自分たちで考察をスイスイ書きます。もちろん、その前に訓練をしたからなんですけどね。もし気になる方は、「理科専科はどう考える?! 〜考察と型〜」をご覧ください。

 『どんな考察を書いたか教えて下さい』と伝え、Aさんを当てました。Aさんは…

炭酸水から気体を集め石灰水を入れてみた結果、石灰水は白く濁ったので、炭酸水に溶けている気体は、二酸化炭素だと分かった。

 と答えました。その後、Bさんを当てました。Bさんは…

炭酸水から気体を集め、線香を入れると線香の火はすぐに消えた。また、炭酸水から気体を集め、石灰水を入れてみた結果、石灰水は白く濁った。このことから、炭酸水に溶けている気体は、二酸化炭素だと分かった。

と答えました。そして、

『どっちの考察が良い考察だと思う?』と尋ね、ノートに自分の考えと理由を書かせました。そして、グループで相談させました。その後、自分から『先生は、Bさんのような考察を目指してほしい。もちろんAさんの考察は合っています。でも、Bさんのは他の実験もして、酸素ではないということを特定していますよね。この分優れています。これが多面的に考えるということです』と伝えました。

 これは、自分の中では「ラッキーだな」と思っていました。なぜかというと、この授業のゴールである「5つの水溶液を特定する」場面では、多面的に考えていることが分かる考察をしてほしいなと思っていたからです。今日の授業で、それの種まきができたのが大きいです。

まとめ

 その後、『じゃあ、今日のまとめはどうなる?自分でかいてごらん』と伝えました。全員が書き終えた後、Cさんを当てました。Cさんは「炭酸水には二酸化炭素が溶けている」と答えました。ばっちりですね。そして、みんなで読みました。

 その後、『そういえば、炭酸水ってすぐに作れるんだよ』とボソリ。これには、「え〜」とか「やってみたい」という声!反応がいいですね笑『じゃあ、時間もあるしやってみる?』と伝えると、「はい」という返事が教室に響き、終わりました。

終わりに

 この授業は、「多面的に考える」について教えられたのが本当に良かったです。これで、子どもたちの考察の書きぶりもレベルアップしそうですね。なにより、友達の良い考察をみれれば、この子たちならすぐに吸収して書くことができます。ともだちから学ぶのがじょうずだからですね。

 続きが気になる方は、「理科専科がズバリ授業案を公開! 〜6年「水溶液の性質」5授業目〜」を御覧ください。

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