理科専科がズバリ授業案を公開! 〜6年「水溶液の性質」5授業目〜

水溶液の性質

 4授業目を見ていない方は、「理科専科がズバリ授業案を公開! 〜6年「水溶液の性質」4授業目〜」を御覧ください。

「炭酸水をつくろう」

復習する

 『今日は何をするの?』と尋ねると、子どもたちは「炭酸水を作る」と答えました。その後、『じゃあ、今日の課題は?』と聞くと、「炭酸水を作ろう」となりました。基本的に、理科の課題は疑問文にすることを口酸っぱく指導していたが、今回はこれでもいいかなと思い、これにしました。

作り方を学ぶ

 『炭酸水を作るにはどうすればいいと思う?』と聞くと、Aさんが「水に二酸化炭素を溶かせばいいと思う」と答えました。それに対して、Bさんは、「えっ!そんな安直なわけないよ」と反応しました。その反応を見た後、『Aさん!正解』と伝えました。Bさんは、「え!」という表情をしていました。『だって、昨日の勉強で炭酸水には、二酸化炭素が溶けているのが分かったよね。だから、その逆のことをすれば炭酸水はできるってことだね』と教えました。

 『じゃあ、作り方を教えるね』と言って、黒板に…

1.水をペットボトルに入れる

2.二酸化炭素のボンベを3秒いれる

3.ペットボトルを振る

と書き、子どもたちにノートを取らせました。

 ここでポイントが2つあります。1つ目は、二酸化炭素はボンベでいいということです。教科書では水上置換法で二酸化炭素を集めていましたが、これだと時間がかかります。ボンベでも十分できるので、ここは楽をしましょう。2つ目は、ペットボトルは柔らかいものと硬いものを準備するのが良いということです。柔らかいペットボトルの場合、二酸化炭素が溶けるとペットボトルはペコっと凹みます。子どもたちは、その様子を見るとすごくいい顔をします。だから、ぜひやってみてください。

 作り方をノートに取らせた後、『質問はありますか?』と尋ねました。子どもたちは、「特にありません」と言っていました。

実験する

 『じゃあ、実験を始めましょう』と言いました。子どもたちは、教卓からペットボトルを持っていき、水を入れました。そして、教卓から二酸化炭素のボンベを持っていきました。持って行く前に『二酸化炭素を入れたら、ちょっとまっててね』と伝えました。そして、全員が準備できたのを確認した後、「よし!みんなで10秒ふってみて」と伝えました。子どもたちは、一生懸命振ります。しばらくすると「うわ!ペットボトル凹んだ」「え!うそ!」「見せて」「本当や」「なんで俺のへこまないの?」「あっ!あわが出てる」など色々な声が飛び交いました。こんな姿を見ると、自分はやっぱり理科って良いなと思います。

 その後『なにか不思議に思ったことある?』と尋ねると、子どもたちから

  •   どうして凹んだペットボトルと凹まなかったペットボトルがあるのか?
  •   どうしてペットボトルは凹むのか?

という2つが出ました。

疑問について解決する

 そこで、まず「どうして凹んだペットボトルと凹まなかったペットボトルがあるのか?」について考えさせました。『凹んだペットボトルと凹まなかったペットボトルを分けてみて』といい、『なんか気づいたことない?』と尋ねました。しばらくすると「あ!凹んだペットボトルの方はやわらかい」という声!これには全員が「たしかに!」といった様子でした。そこで、全員に『そうなんです。柔らかいペットボトルだと凹むんです』と伝えました。

 次に、「どうしてペットボトルは凹むのか」について教えました。これは、考えさせるのは難しいかなと思い、教師の方から教えて大事なところは考えさせることとしました。

空気には、酸素や窒素や二酸化炭素があり、こいつらは自由にとびまわる

もし仮に、ペットボトルの中に二酸化炭素の分子が4つ、ペットボトルの外に気体が4ついたとしたら、おたがいの力はおなじだから凹まない

でも、この後、ペットボトルを振ると、二酸化炭素は水に溶ける

すると、(                        )となり、ペットボトルがへこんだ

とイラストと板書を使って説明し、(   )のところを考えさせました。ほとんどの子は、 できていましたね。Dさんは、「すると、ペットボトル内の二酸化炭素の数が減り、外にいる気体の数は変わらないから、外の押す力のほうが大きくなり、ペットボトルは凹んだ」とかいていました。

 そして、『じゃあ、まとめ!』と言うと、「炭酸水を作るには、水に二酸化炭素を溶かせば良い」とまとめました。そして、全員で読ませました。

本当に炭酸水になっているの?

 その後、『でも、、、』と言うと、子どもたちは「何だ?」という表情をしていました。そして、『これ本当に炭酸水になっているのかな?』と尋ねました。それには「確かに」といった様子です。すると、Eさんから「じゃあ、石灰水使えば良いのでは?」という発言が出ました。周りの子も「確かに」と言っていましたが、とぼけながら「え?どういうこと?」と問い返しました。すると、Eさんは、「もし炭酸水になっているとしたら、二酸化炭素が溶けているはずだから、石灰水を入れると白くなるはずです」と言いました。

 そこで、『じゃあ、やってみるか!』と言い、Eさんに代表して、実験をさせました。結果は… やっぱり白くなったのです。その様子を見て、「やっぱり炭酸水になっているね」と結論付けました。

 その後、振り返りを書き、『実は、炭酸水ってこんな風に作っているんだけど、みんなが買っている炭酸水は違うやり方で作っているんだよ』と言って、動画を見せました。その動画を見ながら「お〜」とかの反応が出ていて、それが素敵だなと思いながら見ていました。

終わりに

 子どもたちにとっては楽しい時間になったのかなと思います。意外性を生むような仕掛けをしたり、疑問を納得できたりしたから、子どもたちにとっては印象に残る1時間になったかなと思います。

 もちろん教師にとっても、価値ある1時間になりました。特に最後のEさんの発言はとってもよかったですね。本当は『なにか不思議に思うことはある?』と尋ねた時に、「これって本当に炭酸水なの?」っていう発言がでれば理想かなと思います。でも、そのためには、この授業の前にしっかり鍛えておかないと行けないんだろうなと思いました。

 続きが気になる方は、「理科専科がズバリ授業案を公開! 〜6年「水溶液の性質」6授業目〜」を御覧ください

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