まだ4授業目を見ていない方は、先に理科専科がズバリ授業案を公開! 〜3年「太陽の光」4授業目〜をごらんください
<明るく温かくなるのは、集めたところが小さいとき?大きいとき?>
板書案
復習する
T:昨日は、鏡を1枚、2枚、3枚と増やしていくと…っていう実験をしましたね
C:はい
T:どんなことがわかったかというと
C:日光が当たったところは温かくなる
T:温かくなるだけ?
C:いや。明るくもなる
T:そうだね。つまり、日光が当たったところは明るく温かくなるんだよね
C:あと、日光を重ねれば重ねるほど、明るく温かくなる
T:そうだね。じゃあ、今日はこの続きからするね
虫眼鏡で日光を集められることを知る
T:じゃあ、ノートにそっくり書いて。( )を使うと、日光をあつめることができる
C:できました
T:今までは、鏡で日光を集めてたんだけど、別のものでも日光をあつめることができます。使うのはこれです!
C:虫眼鏡だ
T:そうだね。虫眼鏡ってどんな道具だったけ?
C:小さいものを大きく見る道具
T:だよね。でも、こんなふうに日光をあつめることができます
C:本当だ。明るくなってる
T:でしょ。もちろん日光を集めているので、明るさだけでなく
C:あたたかさも集める
T:んだよ。しかも、すごいことが4000度とかになることもあるそうだよ
C:え!!!すごすぎる
T:ということで、今日からは鏡ではなく虫眼鏡で日光の勉強をします
問題を把握し、課題を掴む
T:じゃあ、問題を書くよ
C:はい
T:問題 どっちが温かくなるかな?
C:できました
T:いまから2種類のやり方を紹介します。イラストを先生は書きます
T:Aは、日光を集めるんだけど、できるだけ小さくします
C:なるほど
T:Bは、日光を集めるんだけど、できるだけ大きくします。
C:うわ〜
C:多分わかった
T:じゃあ、どっちだと思う?理由も書ける人は書いてみて
C:はい
C:できました
T:じゃあ、Aだと思う人?
C:はい
T:Bだと思う人?
C:はい
T:バラけたね。じゃあ、少ないBからいこうか。なんでBなの?
C:だって、大きいほうが有利そうだと思ったからです
T:なるほどね。
T:じゃあ、A選んだ人はなんで?
C:小さいってことはそれだけ光が集まっているってことだと思うからです
T:なるほどね。
C:うわ〜たしかにそうかも
C:かえてもいいですか?
T:いいよ
T:じゃあ、真実はどっちだろうね?
C:はやくたしかめたいです
T:そうだね。よし、じゃあ今日の課題はどうする?
C:明るく温かくなるのは、集めたところが小さい時?それとも大きいとき?
T:じゃあ、それにしよう
ということで本時の課題として、「明るく温かくなるのは、集めたところが小さい時?それとも大きいとき?」に決まりました。
実験方法を確認する
T:そしたら、今回使うのは、黒い紙と虫眼鏡です。黒い紙は、熱を吸収しやすく、焦げたりするのが見れるので選びました。
T:でね、虫眼鏡の角度を調整しながら、集めたところを小さくしたり、大きくしたりします。この時、手の近くにするとやけどするかもしれないので、この辺を狙うといいと思います。ただしくやれば全然危なくないからね
C:わかりました
T:でっ。すぐにこげるわけではないので、キープしてください。まあ、1〜2分くらいかな。もちろんこげたら、虫眼鏡当てるのやめてね。
C:はい
T:でね、一応バケツおいておくし、困ったら使ってください
T:ちなみに、今回の実験の見るポイントはどこけ?
C:日光を集めるところの大きさ
C:明るさや温かさ
C:紙の様子
T:そうだね。それらに気を付けてみてみましょう
T:あと、絶対に守ってほしいことが2つあるから説明するね。1つ目は、虫眼鏡で太陽を見てはいけません。これ最悪、目が見えなくなる可能性があります。絶対しないでね。2つ目は、人や服に虫眼鏡の光をあてないでください。最悪、燃えてしまいます。悪気がなくても、知らぬ間にあててしまうこともあるので気を付けて使ってください。
C:はい
T:道具って正しい使い方ができないと危険なものになってしまいます。たとえば、包丁って料理に使えば便利だけど、使い方を間違えたら危険なものになってしまうよね。
C:たしかに
T:どんな道具も一緒です。君たちは正しい使い方を学んでください。
C:はい
T:まあ、信じてるよ。じゃあ、紙と虫眼鏡を取りに来て
C:ありがとうございます
T:ありがとうって素敵だね
T:じゃあ、実験してみよう
実験する
T:そしたら、グループごとにバケツに水を汲んできて
C:できました
T:そしたら、まずは大きく集めてみよう。じゃあ、1分はかるね
C:あんまり変わらないな
T:1分経ったわ
C:う〜ん。あんまり変わらないな
T:じゃあ、次はできるだけ小さく集めてみて。じゃあ、1分はかるね
C:うわ!明るい
C:なんか煙出てきた
T:煙でた子は、そのままキープしてていいよ
C:うわ!穴空いた
C:え!できないよ
T:1ぷん経ったわ
C:できませんでした
T:じゃあ、Aさんのところに集合。Aさんちょっとやってみて
C:はい
T:これいいね。これくらいの大きさにするといいんだってさ
C:うわ!煙出てきた
T:ちなみに、Aさん。小さくするためにコツってあるの?
C:なんか、紙は動かさず、虫眼鏡を持ってる方の角度を調整する。ほんでキープするって感じです。
T:じゃあ、やってみて
C:できた!
C:ぼくも
T:じゃあ、そろそろ終わるよ。バケツ返してきて。
C:できました
T:よし。じゃあ、教室戻るよ
C:はい
価値づけし、振り返りをする
T:この中でけがした人はいますか?
C:いません
T:ありがとう。しっかり約束守ってくれて。こんなふうに正しくやれば大丈夫だからね。でも、わすれてはいけないのが、正しくやらないと危険な目に合うってことね。残念ながら、理科って2番目に怪我が多い教科なんだよ
C:1番目はなんですか?
T:体育だよ
C:たしかに。
T:まあ、順位は関係なくて、先生にとってはみんな大事やから、怪我しないように正しく実験するように心がけようねってこと。今回は全員ができていたので、花丸だなと思います。
T:じゃあ、ノートにふりかえりをかいて。わかったことについては次回確認します
C:できました
終わりに
今回の授業も細かいテクニックがたくさんあります。
1つ目は、問題を焦点化したことです。「日光を集めるところは大きくするべきか、小さくするべきか」っていうところに絞ることで子どもは何を考え、どこに注目すればいいかがはっきりします。
2つ目は、物を配るのは最後であるってことです。先に紙や虫眼鏡を配るとそっちに気が散ることがあります。特に、安全の配慮がいるタイミングなので、しっかり話を聞かせるテクニックが必要です。
3つ目は、指示を出し、できたことを価値付けるです。当然ですが、褒められると子どもは嬉しい気持ちになります。指示を出した以上、子どもは一生懸命その指示を守ろうと頑張ります。それは決してあたりまえではなく、感謝したり賛辞を送ったりすべきことだと思います。そうやって、褒められると子どももまた頑張ろうって思ってくれます。
続きが気になる方は、【完】理科専科がズバリ授業案を公開! 〜3年「太陽の光」6授業目〜をご覧ください。(次回でラストになります)
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