このブログ「ぼん先生の理科授業」では、理科専科としての経験や個人的な授業研究をもとに作成したセリフ形式の理科授業案を紹介しています。
これまでに約300本の授業案を公開し、全国の先生が「明日からすぐに実践できる理科授業」を目指して、発問例・板書・展開の流れをまとめています。
この記事を読むと、
・授業のねらいと展開の流れが分かります
・子どもが考えやすくなる発問例が見つかります
・次の授業づくりのヒントが得られます。
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はじめに
自分が初めて「天気と気温」の単元を授業した時、正直言って失敗しました。子どもたちに、「晴れの日は気温の変化が大きいが、曇りや雨の日は気温の変化が小さい」というまとめを実感させることができなかったのです。
その失敗が悔しくて、いろいろ勉強したり工夫したりしてきました。今日は、その工夫についてお話したいと思います。ぜひ、参考にしてみてください。
どんな失敗をしたのか?
まずはじめに、自分がどんな失敗をしたのかについて説明します。失敗は2つあって・・・
1つ目・・・晴れの日のグラフの変化が、思ったほど出なかった
これ実験をやってみた人はわかるのですが、晴れの日の9時から15時って思ったほど山型にならないんですよ。9時が20度、10時が21度、11時が22度、12時が22度、13時が23度、14時が23度っていった感じです。これだと差は3度しかありません。
その結果をもとに考察させても、「晴れの日の気温の変化は大きい」「晴れの日の気温の変化は小さい」っていう2つのパターンがでてしまいます。子どもたちは、「?」ってなります。そこで教師は別の手立てとして、「でも、動画だったらこうなるんだよ」「東京ではこうなんだよ」と言って無理やり「気温の変化が大きい」の方にまとめるのですが、子どもたちはなかなか納得しませんでした。
2つ目・・・曇りの日も、「気温の変化が大きい」ってこたえてしまう。
先ほど、晴れのときに3度の変化しかしていないのに、動画を見せて、無理やり「晴れの日の方は気温の変化が大きいんだよ」と教えてしまうと、子どもたちは今度はそれを根拠に曇りや雨の日の気温の変化を考察してしまいます。曇りの日も2度かわっているから、「気温の変化が大きい」といった感じです。
しかしながら、まとめは「曇りや雨の日は気温の変化が小さい」なので、教師はその子の意見を修正しなければなりません。その時も、教師が動画を見せて、「でも、動画だったらこうなるんだよ」「東京ではこうなんだよ」といった感じで教えます。
そして、無理やりまとめるのですが、当然子どもたちは納得しません。「晴れの日は3度差で気温の変化が大きいっていうんだから、曇りの日で2度変わってるし気温の変化が大きいって言ってもいいのでは?なんでそうなるの?」といった感じです。
この2つの失敗は、もしかしたら、みなさんもやるかもしれません。だから、伝えたいことがあって、これはもちろん子どもは悪くないです。そして、強いて言うなら教師が悪いけど、仕方ないな〜と思います。だって、実際に9時から15時でデータを出せば、晴れの日の結果はそのようになるからです。
しかしながら、教師の教材研究が甘かったから、子どもに納得させてあげられなかったのは事実だと思います。じゃあ、どうすればよかったのでしょうか?
ズバリ2つの工夫とは…
子どもに納得させるための工夫は2つあって、それはズバリ・・・
① 教科書通り9時から15時で記録するのはやめる!
② 「晴れの結果→考察→曇りの結果→考察→雨の結果→考察」と順番通りするのはやめる!
です。それぞれについて詳しく説明します。
①教科書通り9時から15時で記録するのはやめる!について
教科書では、9時から15時の記録が載っています。自分もそれを信じてやっていたのですが、これだと晴れの日の変化が思った以上に見えにくくなってしまいます。そのため、7時から17時の間の記録を取るのをおすすめします。
実際にやってみたらわかるのですが、7時から9時の間って晴れの日はものすごく気温があがります。それもそのはずで、夜の間は太陽がでていなくて気温が低いのですが、太陽が出たあとは、空気が温められてどんどんあがるからです。そして、9時くらいには割と空気は温め終えてしまっているので、その後は思ったほどあがりません。
つまり、割と早い段階から気温の記録を取ってしまうと変化がわかりやすくなるというわけです。また、曇りの日や雨の日も7時位から取るのですが、太陽が出ていないので、7時から思ったほどあがりません。
こうすると、結果がはっきりとします。もちろん7時から子どもたちに記録をさせるのはむずかしいので、教師が変わりに取ってしまって、事実として子どもたちに伝えればいいと思います。
②「晴れの結果→考察→曇りの結果→考察→雨の結果→考察」と順番通りするのはやめる!について
そもそも、「気温の変化が大きい」「気温の変化が小さい」ってどういうことなのでしょうか?ここで、例え話をするのですが、みなさん「5000円って高い」ですか?
実は、これ状況によって考えが変わると思います。たとえば、小学3年生が「お小遣いで毎月5000円頂戴」といえば、「高い」って感じると思います。それは、小学3年生の平均的なお小遣いとくらべているからだと思います。でも、大人が「お小遣い毎月5000円頂戴」といえば、「安い」って感じると思います。それは、大人の平均的なお小遣いとくらべているからだと思います。
つまり、何が言いたいかと言うと、「高い」「低い」「大きい」「小さい」は、それ単体できまるものではく、比べないとわからないということです。
そのため、晴れの日の気温の結果を見せても、比べる対象がないから、「気温の変化が大きい」って出しにくいというわけです。したがって、晴れの日、曇りの日、雨の日の結果の3つをだしてから、考察をさせないといけないと思います。
おわりに
このように、「結果の出し方」と「考察のさせ方」がこの単元の鍵になると私は思います。
そして、それが分かっていれば、「晴れの日は3度差で気温の変化が大きいっていうんだから、曇りの日で2度変わってるし気温の変化が大きいって言ってもいいのでは?なんでそうなるの?」というあの子の思いも説明がつきます。
①あの子は、晴れの日の気温の変化の結果の出し方が悪かったから、「晴れの日は気温の変化が小さい」と考察した
②動画で無理やり教えられた
③曇りの日の考察をする時、晴れの日は3度で気温の変化が大きいって教えられたからそれと結びつけながら考察した(「大きい」、「小さい」は比べないと判断できないので、晴れの日の考察を根拠に、3度程度あれば「大きい」と言っていいんだと解釈した)
④でも、動画で無理やり教えられた
⑤納得しないけど、とりあえず飲み込んだ
っていうことだと思います。
自分は、あの授業をもう1回やり直したいと想っても、もう時間を戻すことができないから、せめて自分の発信で別の誰かが少しでも分かった!ってなってくれればいいなと思っています。
続きが気になる方は、4年理科「天気と気温」指導案に悩む先生へ|1時間目の授業実践からヒントを!をご覧ください。
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