はじめに
私は、「子供たちの力だけで実験をしてほしい」という思いがあります。その理由は、教師が「あれして!これして!」と言っていては、いつまでたっても実験スキルがつかないからです。そして、教師1人ですべてのグループを支援するのは不可能だと思っているからです。そのため、子どもたちが多少手こずっていても、グッと我慢するようにしています。
じゃあ、ぼん先生は実験中ボーッとしているのかというとそういうわけではありません。しっかりとやるべきことをやっています。放任と任せるは、ちがいますからね!ということで、今日は、理科専科は実験中に何を考え、何をしているのかについてお伝えします。
ズバリ! 考えていることは4つ!!!
考えていることは、大きく分けて4つあります。その4つとは…
動けるグループと動けないグループはどこか?
正しく実験をスタートさせることができているか?
安全に手際よく実験できているか?
早いグループにどんな指示を出すか?
です。それぞれについて説明します
「動けるグループと動けないグループはどこか?」について
私は、実験前に実験方法、結果の見通し、準備するものを確認します。そして、子どもたちからの質問を聞いた後、「実験を始めてください」と指示を出します。
実験を始めさせた後、まず初めにやるべきことは、「説明を理解できているグループと理解できていないグループを把握すること」だと思っています。これを把握していないと、どのグループがこの後つまづくのかを予想するのが困難になるからです。
では、「説明を理解できているグループと理解できていないグループを把握する」には、どうすれば良いのでしょうか?答えは簡単で、「動けているか動けていないか」を見ればいいのです。理解できているグループは、理科室のいろいろな場所に行って、物を取ってきます。理解できていないグループはグループ内で「え!どうすればいいん?」って話し出します。もちろん。困っているからといって、そのグループの手助けはしません。ここで、手助けをしちゃうと、「別に話を聞かなくても、先生が助けてくれるんだ」となってしまうからです。「うわ、まずい」と思わせることで、「次のときは、しっかり聞かないといけない」という思いにさせたいし、困ったら自分で声をあげられる子になってほしいなと思っています。
「動けているか動けていないか」を判断する時のコツは、全体を俯瞰できる位置に立ち、その場から動かず全体をジーッと観察することだと思っています。すると、だんだん分かってきます。
「正しく実験をスタートさせることができているか?」について
実験道具を集めた後、子どもたちはどんどん実験を始めるのですが、スタートはしっかりみます。なぜなら、先生の実験のイメージと子どもの実験のイメージがズレている可能性があるからです。スタートの時点でミスっていたら、修正のために時間がかかってしまいます。「正しくできるし、大丈夫だな」と思えば任せますし、ちょっと修正したいことがあれば、「こうすればいいよ」と短くアドバイスをします。
理想は、全部のグループの実験のスタートを見たいのですが、無理なことが多いです。そのため、実験しているグループをササッと見て、おかしいところはないかを確認します。予備実験しておくと、実験のポイントが把握できるので、ササッとでもいけます。
「安全に手際よく実験できているか?」について
すべてのグループの実験のスタートを確認することができれば、「今回の実験は大丈夫かな」と内心では思っています。しかし、油断はできません。その後は、「実験が安全にできているかな?」「進捗具合はどうかな?」っていうのを意識しながら、全体を机間巡視します。
進捗具合については、「中間のスピードのグループがどれくらいなのか」を意識してみています。遅いグループは本当に遅いので、はやいグループの進捗具合を伝えます。そうすることで、遅いグループが「え!やばっ!いそがないと」となり、がんばろうとしてくれます。
「早いグループにどんな指示を出すか?」について
どんな指示をするかについては、日によってバラバラです。もう一回実験させることもあれば、考察を書かせることもあれば、「手助けにいってきて」とお願いすることもあれば、片付けをさせることもあれば、気になることを自由に実験させることもあります。
少なくとも、「やることが何もない」という状況だけにはさせません。やることが何もない状況になると、子どもたちが遊びだすかもしれないからです。そうなると、脳のリソースを本来は遅いグループのために使いたいのですが、早く終わったグループにも使わなければいけないので大変になります。空白の時間は作ってはいけませんね。
終わりに
実験は、「早く」「正確に」「安全に」が基本だと思います。それを実現するためには、子どもを育ててしまうのが早いと思います。
4月は、話を聞いていなくて動けないグループがやっぱりいます。でも、「絶対にこの子たちも変われずはず」と信じて、「自分が入ったほうが早くできるな」という手助けしたい気持ちをグッと我慢してやらせます。
悪いところがあればどんどん伝えます。それで、次の実験のときに1個でもよくなっていれば、褒めて伸ばします。褒められるのはやっぱりうれしいですからね。そんな風に地道に鍛えていけば、子どもたちの実験スキルも上がって、最終的に先生もすごく楽になります。


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