理科専科がズバリ授業案を公開! 〜5年「物のとけ方」15授業目〜

物のとけ方

まだ14授業目を見ていない方は、先に理科専科がズバリ授業案を公開! 〜5年「物のとけ方」14授業目〜をご覧ください。

<本当に冷やすとミョウバンは取り出せるのかな?>

板書案

復習をする

T:課題を読みましょう。せーの

C:本当に冷やすとミョウバンは取り出せるのかな?

T:ということで、今日は何をするかというと

C:実験です

T:そうだね。じゃあ、実験方法の確認ね。1番読みます。せーの

C:60度で12杯溶かす

T:ミョウバンは60℃だと11杯溶けたので、溶け残りがでる12杯をとかしてください。塩の場合は、6はいとけたので、溶け残りが出る

C:7杯をとかす

T:ということだね

T:次2番読みます。せーの

C:ろ過をする

T:そうだね。溶け残りが出るはずなので、それを取り除きます。取り除かないと初めからのこっていたやつなのか、冷やしたら出てきたものなのかわからないからね

C:はい

T:3番読みます。せーの

C:冷やす

T:そうだね。冷やしてミョウバンが出てくるかを見ます。ちなみに、君たちの予想的にはどんな結果になりそう?

C:ミョウバンは出てくるけど、塩は出てこない

T:ということだね。ちなみに質問はありますか?

C:ないです

T:じゃあ、はじめましょう

実験を行う

 この後、加熱して水溶液からミョウバンや塩を取り出す実験を行います。だから、今回は割とアドバイスをしました。たとえば、「ろうとの先がちゃんとビーカーの内側についているか?」とか「水溶液を流すときのガラス棒の角度はどれくらいか?」などです。

 ここで教えておくことで次回の実験がスムーズになるし、教えてあげるから正しいやり方でできるようになると思うからです。

 また、必要な道具は自分たちで準備をさせます。もし、欲しいものがあれば声掛けをしないと助けないようにしています。そうすることで、実験が主体的になるし、協力もするようになると思います。

 実験自体は、かなりスムーズにできていたと思います。

結果を確認し、考察をする

T:じゃあ、結果を確認するね。ミョウバンはどうだった?

C:白いものが出てきた

T:なるほどね

T:じゃあ、塩は?

C:何も出てこなかった

T:そうだね

T:じゃあ、これをもとに考察を書いてみて

C:はい

C:できました

T:できた人周りの人のやつ見てきて

C:はい

T:じゃあ、全員座ろうか

C:はい

T:おしえて

C:はい

T:Bさん

C:はい。冷やすとミョウバンは白いものが出てきたが、塩は何も出てこなかった。このことから、温度を冷やすとミョウバンだけ取り出せることがわかった

C:おなじです

T:そうだね。つまり、君たちの予想は?

C:あってた

T:ということだね

T:ちなみに、これなんでミョウバンだけ出てくるかわかる?

C:うーん

T:ペアで相談

C:・・・

T:説明できそうな人?

C:・・・

T:じゃあ、ちょっとだけヒント。前回こんなグラフみせんかった?

C:見た

T:これ縦軸の単位がgになってるけど、ちょっとなおすね

C:はい

T:たとえば、60度の時、ミョウバンは何杯とけたの?

C:11はい

T:だね。じゃあ、20度だったら、ミョウバンは何杯とけたの?

C:2はい

T:そうだね。60の時、塩は何杯とけたの?

C:6はい

T:20℃のときは?

C:6はい

T:これで気づく人いないか?

C:あ〜わかった!

T:Cさん

C:前に出ます

T:どうぞ

C:ミョウバンは60度で11はいとけるけど、20度で2はいしかとけないですよね。つまり、温度がさがると9はいぶんは溶けれなくて、それがでたんだと思います。

T:塩は何で出ないの?

C:塩は60度で6はいとけるけど、20度でも6はいとけます。つまり温度がさがっても解ける量は変わらないから出てこないんだとおもいます。

C:あ〜

C:?

T:どこではてなになった?

C:もう一回言ってほしいです

T:いいことだね。Cさんは図を使いながら説明できる?

C:はい。ミョウバンは60度で11はいとけるけど、20度で2はいしかとけないですよね。つまり、温度がさがると9はいぶんは溶けれなくて、それがでたんだと思います。塩は60度で6はいとけるけど、20度でも6はいとけます。つまり温度がさがっても解ける量は変わらないから出てこないんだとおもいます。

C:9はいぶんってどういうこと?

T:だれか説明できる人いる?

C:はい

T:Dさん

C:はい。60どの時11はいとけて、20どの時2はいとけるじゃないですか?そしたら、11−2=9で9杯分が出てくるから、9杯だとおもいます

T:Cさん、言いたいこと合ってる?

C:そうです

C:あ〜

T:ちょっとイメージをパワポで持ってきました

T:60の時ミョウバンは何杯とけるの?

C:11はい

T:そうだね。だから、11こ◯があります

T:ほんで、20度だと何杯とけるの?

C:2はい

T:そしたら、この2つは溶けてるわけ。じゃあ、のこったこいつらはどうなるかっていったら溶けれないから、出てくるというわけ

T:でも、塩の場合60度で何杯とけるの?

C:6はい

T:20度だと?

C:6はい

T:つまりこの◯が溶け続けられるから、出てこないというわけ

C:なるほど!

T:こんなふうにイメージ図を使うと説明が伝わりやすくなるので参考にしてね

C:はい

T:じゃあ、一応考察のところになんでミョウバンだけ出てくるかを足しておこうね。真似してかいてみて

C:はい

まとめとふりかえりをする

T:じゃあ、まとめをするよ。水溶液の温度を下げると・・・

C:ミョウバンはとりだすことができるが食塩はとりだすことができない

T:いいね。でも、ちょっとだけ足すわ。

ということで本時のまとめとして、「水溶液の温度を下げると、水に溶けたミョウバンはとりだすことができるが食塩はとりだすことができない」となりました。

T:じゃあ、ふりかえりをしてね

C:はい

C:できました

T:じゃあ、片付けするよ

C:はい

終わりに

 思考判断表現をねらいとした授業で、子どもからするどい意見がでるのは決してまぐれではなく、単元レベルでしかけをしているからだと思います。

 今回で言えば、(1)実験の方法をちゃんとアドバイスする、(2)グラフやイメージ図を用いて、なぜミョウバンだけ出てくるのかを考えるといったしかけをしています。

 次回は、蒸発をさせるのですが、その時に上記の2点を活かしながら子どもたちは頑張ります。その姿をみて、他の先生は、「あ〜いい姿だな」と感じるのだと思います。

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