1授業目をまだ見ていない方は、先に「理科専科がズバリ授業案を公開! 〜4年「あたたかくなると」1授業目〜」を御覧ください。
<あたたかくなると、さくらの様子はどう変わるのかな?>
課題を掴む
『単元のゴールを読みましょう。』と指示を出しました。子どもたちは、前回のノートを山行にしながら、「温かさによって、生き物の様子はどう変わるのかな?」と言いました。そして、次のようなやり取りをしました。
T:冬のときって気温どれくらい?
C:5℃くらい。
T:じゃあ、春のときは?
C:10℃くらい。
T:そうだね。つまり、冬のときより春のほうが気温は上がっているってことだね。じゃあ、気温が上がると、生き物の様子にはどんな変化が見られるのかな?今日は、サクラについてやりましょう。
そして、本時の課題である「あたたかくなると、さくらの様子はどう変わるのかな?」と板書しました。
【重要】観察する際の視点を与える
そして、『実は、これが冬の桜の様子だよ』と言って、写真を見せました。『気づいたことは?』と聞くと、「葉がぜんぜんない」「なんかぷくっと膨らんでいるものがある」「花もない」などといった意見が出ました。
そこで、『じゃあ、あたたかくなるとさくらの様子はどう変わると思う?予想を立ててごらん』と言って、ノートに予想を書かせました。子どもたちの意見は…
ピンク色の花が咲く
葉がたくさん咲く
という意見が出ました。そこで、『花と葉に変化が見られるってことだね』と価値づけして、それを板書しました。そして、「花とか葉はどれくらいあると思う?」と問い返しました。すると、「花も葉も数え切れないくらい」との声!そこで、『じゃあ、今日は花や葉に注目して見てみよう。もし他の変化や疑問を見つけたら記録をしておこう』と伝えました。そして、ワークシートを配り、写真を取るためのカメラも持たせました。
観察する
外に出ると、学校の周りにはきれいな桜が!!!子どもたちも、外に出て観察するのは好きなので嬉しそうです。しばらくすると、記録する子がでてきました。まずは、その子を褒めます。すると、目的を見失っている子どもたちも「そうだった。そうだった。」と課題解決に意識を意識を向けるようになります。ある程度、観察ができたのを確認して、みんなで教室に戻りました。
気づいたことを発表する
そして、『気づいたことを教えて下さい』と言いました。すると、子どもたちからは…
薄ピンクの花が咲いていた。
蕾もあった。
中は濃いピンク色だった。
緑色の葉っぱはほとんどなかった。
などの意見が出ました。『疑問は?』と尋ねると…
どうして、あたたかくなると花が一気に咲くのかな?
何度になると咲き始めるの?
どうして、葉っぱがあまりないのかな?
と言った意見が出てきました。
先生の疑問を共有する
そのあと、『先生も疑問に思ったことがあって、あの桜の木ってとても大きいよね。(うん)枝とかみきってまだのびるのかな?それとも、もうのびないのかな?どう思う?』と言いました。聞いてみると、6対4で伸びると考えている子がおおかったです。でも、『真実はどっちなんだろうね?』と聞くと、「わかりません」と言っていました。『じゃあ、目印を付けて、伸びるかどうかを調べてみよう』と伝えました。
まとめ
そして、まとめをしました。「冬の桜の様子と比べると春の桜はどう変わった?」と聞くと、「春の桜は、冬に比べると、花をつけていた。しかしながら、葉はあまりなかった」とまとめていました。
終わりに
今回の授業のポイントは2つあります。
1つ目は、観察の前に予想をさせ、そこに注目してみようと視点をもたせたことです。視点がないと、見てほしいものを見ない子がでてくるので、絶対に大事です。
2つ目は、子どもから出てこない意見は教師が発問で視点を広げてあげるということです。例えば、今回、子どもたちから枝や幹の伸び具合に関する意見は、全く出てきませんでした。これは、子どもたちの関心にないからです。しかしながら、成長を見ていくうえで、枝や幹の伸び具合は大事なポイントになると思います。そこは、教師が視点を与えればいいかなと思います。ただし、視点を与える時に、「枝や幹の伸び具合を見ましょう」というのと「枝や幹が伸びると思う人と伸びないと思う人に分かれているね。真実はどうなんだろう?」というのとでは全然違います。前者は押し付けです。なぜそれをする必要があるのか子どもたちは分かっていないので、すぐに意識から漏れます。後者は、ズレが起きているので、それを確かめようということなので子どもはやる気が出ます。
春は、まだまだ子ども主体の授業はできません。でも、ゴールの姿をイメージし、すこしずつ仕掛けておくことが大事かなと思います。
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