理科専科がズバリ授業案を公開! 〜4年「あたたかくなると」3授業目〜 

あたたかくなると

 2授業目をまだ見ていない方は、先に「理科専科がズバリ授業案を公開! 〜4年「あたたかくなると」2授業目〜」を御覧ください。

<あたたかくなると、動物の様子はどう変わるのかな?>

課題を掴む

 まず初めに、子どもたちと次のようなやり取りをしました。

T:前回はどんな勉強をしたのかな

C:桜の様子を観察しました。

T:分かったことは?

C:花がさいていた

C:花は、ピンクと白だった

C:つぼみもあった

T:今日は何をするの?

C:あたたかくなると、動物の様子がどうなるかについて調べます。

T:じゃあ、今日の課題は?

C:あたたかくなると、動物の様子はどう変わるのかな?

そして、本時の課題である「あたたかくなると、動物の様子はどう変わるのかな?」を板書しました。

視点を与える

その後、子どもたちと次のようなやり取りをしました。

T:まずは、気温をはかるよ。当番さん今何度?

C:23℃です。

T:そしたら、確認ねんけど、動物の様子を調べるってなったら、春はミミズ、夏はカブトムシ、秋はトンボ、冬はチョウっていう風に調べるのはいい?

C:だめ

T:なんで?

C:同じ動物で1年間調べないと変化がわからないから

T:そうだね。じゃあ、どの動物を調べるか決めたんだけど、覚えている?

C:チョウ、カエル、ツバメです。

T:これらの動物って冬のときは、どうだった?

C:ぜんぜん見ることができなかった。

T:じゃあ、春になったらこれらの動物はどうしてると思う?ノートにかいてごらん。

予想を書く時間をしばらくとった後、発表をさせました。子どもたちからは…

チョウ…みつを吸っている、たまごをうんでいる、とんでいる

カエル…水の中にいる

ツバメ…空を飛んでいる、餌をとっている、巣を作っている

などの意見が出ました。子どもたちの発表を聞いていると、どうやら様子に着目しているようでした。そこで、「どれくらいいると思う?」とたずね、数にも着目させようとしました。子どもたちは、「あんまりいないんじゃない」というのと「けっこういるんじゃない」という意見がでました。本来は、数で表現させたいところですが、時間の関係でサラッといきました。そして、「じゃあ、様子と数に着目しながら観察しようね」と伝えました。

観察する

 外に出て、しばらくすると、ツバメがピューンと飛んでいきました。これには、子どもたちも「ツバメ!ツバメ!」と大盛りあがり!さらに、観察をつづけると、チョウもいました。これにも大盛り上がり。しかしながら、カエルには全然会えなかったのです。時間もかなりきていたので、「じゃあ、戻って分かったことをノートにまとめるね」と言い、教室に戻りました。

気づいたことを発表する

 そして、『気づいたことを教えて下さい』と言いました。すると、子どもたちからは…

チョウは花畑を飛んでいた

色々なチョウがいた

ツバメは巣を作っていた

ツバメはたくさんいた

チョウは1匹いた

カエルはいなかった

といった意見が出てきました。

先生の疑問を共有する

 そのあと、先生から『カエルは見つけられなかったよね。これってたまたまなのかな?それとも全国どこでもそうなのかな?どう思う?』と聞きました。すると、多くの子が「たまたま」だといいました。

 そこで、「じつは、この教科書には春の時のカエルの様子がうつっているんだけど、確認してみる?」といって、教科書を開かせました。教科書を見ると、たまごやオタマジャクシのイラストが出ており、これを根拠にして春のカエルの様子を捉えていました。そのうえで、「じゃあ、なんで私達はたまごやオタマジャクシを見つけられなかったのかな?」と聞きました。すると、「田んぼに水が張ってないから、それでたまごが埋めなかったのだと思う」という意見が出ました。

まとめ

 そして、まとめをしました。「冬の様子と比べると春の動物の様子はどう変わった?」と聞くと、「あたたかくなると、活発に動いていた。また、たまごを生んでいる動物が多い」とまとめていました。「活発」については自分たちの目で確かめたこと、「たまごを生んでいる動物が多い」については教科書のイラストを比較して気づいたことをもとに発表していました。その後、振り返りをして終わりました。

終わりに

 今回は、カエルの扱いをどうするのかがポイントだったかなと思います。自分は、基本的には実験結果や目で見た事実はたとえ教科書と違っていても、受け入れるようにしています。それは、たとえ間違っていたとしても、子どもたちにとっては紛れもない事実だからです。でも、おかしいものは正しいものに変えてあげないといけません。だから、今回は、「わたしたちが見た事実はどんな場所でもそうなのか?」という空間的な見方を働かせたわけです。このもっていきかたは、割と無理がなかったのかなと思います。

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