理科専科がズバリ授業案を公開! 〜5年「電磁石」2授業目〜

電磁石

 1授業目を見ていない方は、「理科専科がズバリ授業案を公開! 〜5年「電磁石」1授業目〜」を御覧ください。

<本当に電磁石には極があるのかな?>

電磁石について復習する

 『前回の授業では電磁石を作ったよね。作り方は覚えてるかな』と言って、授業を始めた。子供たちは「はい。覚えてます。」と答えた。そこで『まず、何を作るんだっけ?』と尋ねた。すると、ある子が「コイルを作ります」と答えた。『その後は?』と聞くと、「鉄芯を入れます」と答えた。『その後は?』と聞くと、「電流を流します」と答えた。子供たちは前回電磁石を作ったので、すんなりとその作り方を答えることができていた。

 その後に『前回の最後に、Zさんが「電磁石って磁石みたいだけど、それなら電磁石にも極があるのかな?」っていう風に言ってたよね。今日はこれを解決しようか』と伝えた。そして、『 今日の課題はどうする?』と聞くと、子供達は「本当に電磁石には、極があるのかな」という風に立ててくれた。

予想する

 まず初めに、回路図を書いた。乾電池のプラス極→検流計→コイル→スイッチ→乾電池のマイナス極といった回路である。その後、乾電池のプラス極に繋がっている方のコイルに☆印をつけて、『ここは何極だと思う?」と尋ねた。そして、予想を書かせた。予想を確認すると、子供たちは全員が「 N 極である」という風に考えていた。そこで、『何か理由はありますか』という風に尋ねた。しかしながら、今回は誰も理由を説明することができなかった 。そこで、『極って何で決まると思う?』という風に聞き方を変えてみた。すると子供達は、「乾電池の向き」と答えていた。そのため、『あー、なるほどね。じゃあ、君たちは、乾電池のプラス極に繋がっている方がN極だって考えているんだね』と価値づけをした。(後から考察する時に乾電池のプラス極と磁石の極を結びつけてほしいと思い、このような時間を取った。これがいわゆる仕掛けである。)

実験の方法と結果の見通しをもつ

 その後、実験方法を子供達と確認した。『☆印のところの極がどうなっているかを調べるには、その近くに方位磁針を置いてみるといいんだよ。もし☆印のところが君たちの予想通りN 極だったとしたら、方位磁針の色がついているところはどのように動くかな』と尋ねた。 すると、子供たちは「退け合うから、左にふれる」と答えていた。ばっちりである。その後『じゃあ、もし☆印のところが S 極だったらどうなると思う?』と尋ねた。すると、子供たちは「引き合うから、右にふれる」と答えていた。さらに、「もし、極がなかったら、方位磁針の色がついたところはどのように動くかな』と尋ねた。すると、子供たちは、「反応しない」と答えた。

 今回の授業では、ここが大事なポイントかなと思う。このように先に結果の見通しを持たせることによって、子供たちは、実験結果が出た時にスムーズに考察することができるようになる。結果の見通しを持たせた後は、教科書で実験の準備物を確認したり 結果を書くワークシートを配ったりした。

実験する

 教科書を参考にしながら実験準備をさせた。この時に感じたのは、やっぱり実験器具の扱いに全然慣れていないということである。例えば、検流計は4年生の時にも使っているはずだが戸惑っていた。そのため、今回は、『こんな風に使うんだよ』と教えながら一緒に準備をした。実験の経験がやっぱり少ないので、いかに実験器具に触れさせるかが今後の課題だなと感じた。

 実験準備が終わった後、スイッチを入れる前にもう一度結果の見通しを持たせた。『君たちの予想が正しければ 針はどっちに触れるんだっけ?』といった感じである。子どもたちは、しっかり見通しが持ってていたのですぐに答えることができていた。そして、スイッチを入れてみた。すると、結果は、子供たちの予想通り針が左に触れたのである。これを見て子供たちは、「やっぱりプラス極につながっている方が N 極になっている」と口にしていた。そして、結果をワークシートに書かせた。結果を書くときは、図と言葉をセットにして書くように教えている。それが終わった後、『じゃあ、もし電池の向きを反対にしたらどうなると思う?』という風に尋ねた。すると、子供たちは「 N極とS極が逆になる」と答えた。 『どうして?』と聞くと、「乾電池のプラス極に繋がっているところが変わっているから」と答えていた。

 実際に、実験をしてみると子供たちの予想通りN 極 と S 極が反対になっていた。 その後 子供たちに、結果を書かせた後、『この実験からどんなことがわかったの』と尋ねた。

 すると子どもたちからは次のような意見が出た。

電磁石にも極がある

電池の向きを入れ替えると極は反対になる。

乾電池のプラス極に繋がっている方が N 極になる。

 子供たちの意見の中で良かったのは、乾電池のプラス極に繋がっている方がN極になるだと思う。なぜなら、乾電池の向きと極を結びつけながら考察しているからである。こウイウ捉え方ができていれば、難しい問題が来ても、しっかり解けると思う。

まとめをする

 子供達は「電磁石には極がある。乾電池のプラス極に繋がっている方が N 極である」とまとめていた。もちろん、まとめをかかせる時は図も一緒に書かせている。こうすることによって、言葉とイメージをセットにして覚えることができるのである。

 その後、『次回はどんなことしてみたい?』と尋ねた。しかし、今回は特に意見は出てこなかった。前の授業では「電磁石を強くするにはどうすればいいのかな?」という意見が出ていたので それが出るかなと思ったが だめだった。そのため、次回の導入では、電磁石に大量にクリップが付いている写真とあまりついていない写真を提示し、比べさせることによって、「電磁石を強くするにはどうすればいいのかな?」といった課題を引き出さないといけないな と感じた。

 続きが気になる方は、「理科専科がズバリ授業案を公開! 〜5年「電磁石」3授業目〜」を御覧ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました