4授業目を見ていない方は、「理科専科がズバリ授業案を公開! 〜5年「電磁石」4授業目〜」を御覧ください。
<本当に電流の強さを強くすると電磁石は強くなるのかな?>
復習する
『今ってどうすれば電磁石を強くできるのかについて考えているよね。君たちはどんな予想を立てていたかな?』と尋ねました。すると、「導線の巻数を多くする」「電流の強さを強くする」と答えました。その後、『前回は、導線の巻数を多くしたんだよね。どうだった?』と尋ねると、「導線の巻数が多くなるほど、電磁石は強くなった」と答えました。『じゃあ、今日は何するの?』と尋ねると、「電流の強さを強くする」と答えました。そこで、『じゃあ、課題は?』と聞くと、「本当に電流の強さを強くすると電磁石は強くなるのかな?」に決まりました。
実験方法の確認
その後、変える条件と変えない条件を確認しました。子どもたちは…
変える条件 … 電流の強さ
変えない条件 … 導線の巻数、導線の長さ
と答えました。その後、『電流の強さってどうやったら変えれるの?』って聞くと、「片方を乾電池1こにして、もう片方を乾電池2個の直列つなぎにすればいい」という意見が出ました。『質問はありますか?』と聞くと、Aくんから「電流の大きさはいくつにすればいいですか?」と出ました。いい質問ですね。Aくんの質問に対しては、「乾電池繋いだ時の1回目の電流の大きさをメモしてそれに揃えればいいですよ」と伝えました。
『じゃあ、実験準備をしようか』と言うと、道具を取りに行く5年生達。この辺りは、しっかりしていますね。道具が全部揃うと回路を作り出すが、子どもたちは「あれ?」ってなりました。何にこまったかというと、乾電池2個の直列つなぎの作り方です。友達も相談しているが、不安そうな様子です。そこで、『回路ってプラス極から1つのわのようになっていればいいんだよね』というアドバイスをしました。すると、子どもたちは、「あ!ここがおかしい」と言って直しました。不安なまま始めるのも嫌かなと思い、ぼん先生がチェックし、「これなら大丈夫だね」と一言。これには、子どもたちも安堵な表情です。
実験する
子どもたちは、先に2個の直列つなぎの方から始めました。電流の大きさは1.5Aでした。1回目の記録は、16個。昨日の実験に比べると、たくさんクリップが取れて嬉しそうな様子です。2回目の記録は12個、3回目の記録は13個でした。平均すると、13.6となったので、『どうする?』と聞くと「四捨五入すればいいと思うから、14個だと思う」という声!褒めどころですね。こうして、2個の直列つなぎのほうは、平均14個という結果になったのでした。
続いて、乾電池1個の方です。電流の大きさは0.7Aでした。1回目の記録は8個、2回目の記録は5個、3回目の記録は8個となりました。平均すると、7個という結果になりました。
考察する
その後、子どもたちは考察をし始めました。ここまで持ってくるのは、大変でしたが、意識付けと考察の練習を積んだおかげですね。考察について知りたい方は「理科専科はどう考える?! 〜考察と型〜」を御覧ください。
できた人から持ってこさせたのですが、今回は「これ話させたら面白いな」と思い、2人の子の考察を紹介しました。
Aさんが書いたのは、次のようなものでした。
電流の強さを変えて、クリップのつく量が変わるかを調べた結果、1.5Aのときは、平均14個で、0.7Aのときは、平均8個となったので、電流の強さを強くするほど、電磁石は強くなると分かった
です。
続いて、Bさんが書いたのは、次のようなものでした。
電流の強さを変えて、クリップのつく量が変わるかを調べた結果、乾電池2この直列つなぎのときは、平均14個で、乾電池1個のときは、平均8個となったので、電流の強さを強くするほど、電磁石は強くなると分かった
です。
そして、子どもたちに『これどっちの考察が良いと思う?』と尋ねました。ちなみに、皆さんは、どちらの考察がいいとおもいますか?そして、その理由はなんですか?
自分の受け持っているクラスでは、Aがいいという結論になりました。それは、Rさんの「今って電流の強さに注目しているから、電流の値を具体的に書いたほうが良いと思う。乾電池2個の直列つなぎと乾電池1個だと具体的な電流の強さがわからないとおもう」という意見にみんなが「なるほど」となったからです。自分もRさんと同じ意見です。そして、それを聞いて素直に直したBさん!これも褒めどころですね。
まとめ
『じゃあ、今日のまとめは?』と聞くと、「電流の強さを強くすると、電磁石は強くなる」とまとめていました。子どもたちは、まとめを作るのは大得意です。その秘訣は、「理科専科はどう考える?! 〜理科の課題づくり〜」で確認してみてください。
終わりに
子どもたちは、3学期のこの時期になると、だいぶ育って自分たちで進められます。その中で、教員は出場を考えるのが大事だと思います。今回で言えば、どっちの考察が良いかを考えさせるのが出場だったかなと思います。
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