理科専科がズバリ授業案を公開! 〜3年「春のしぜんにとび出そう」3授業目〜

春のしぜんにとび出そう

 2授業目を見ていない方は、「理科専科がズバリ授業案を公開! 〜3年「春のしぜんにとび出そう」2授業目〜」をごらんください。

復習する

 今回は、『前回の授業でどんなことが分かったかな?』と尋ね、復習から始めました。子どもたちは…

学校の周りに黄色いタンポポがいた

ハサミムシがいた

サクラがあった

オオイヌノフグリがあった

などと発表していました。まとめ(抽象的なこと)を発表するのではなく、見た物(具体的なこと)を発表しているのが多かったです。『これは、今後の課題だな』と思いながら、『じゃあ、これ分かるかな?』と黒板に『生き物によって、◯、◯、◯◯◯はそれぞれちがう』と書きました。そして、「分かった人は、ノートに書いて持っておいで」と伝えました。Aくんがもってきました。「全問正解。Aくんはミニ先生として、丸付けのお手伝いね」と伝えました。そして、Bくんも正解だったので、「ミニ先生ね!」と伝えました。このミニ先生って意外と効果的だと思っています。その理由は…

  •   子どもは、ミニ先生という役職が当たると嬉しい
  •   教師は、手が空くので手助けにいける

からです。全員が合っていることを確認した後、全員で「生き物によって、色、形、大きさはそれぞれ違う」と読ませました。

問題を掴む

 『じゃあ、今日の問題ね』と言って、㋲を書きました。そして、その横に「タンポポの絵を書こう」と書きました。

 全員が書いたのを確認した後、『みなさんは、昨日タンポポを見ましたよね。では、タンポポの絵もかけるはずですよね。本物そっくりに書いてください』とつたえました。これには、子どもたちも「どんなんやったけ?」という表情。

【重要】タンポポのイラストを比べる

 しばらくたった後、4人ほど当てて、黒板に絵をはらせました。すると、子どもたちから「うわ。ぜんぜん違う」との声!そこで、「どこがちがうの?」と尋ねました。すると子どもたちから…

  •   葉っぱの枚数
  •   花の中
  •   茎の太さ
  •   花の枚数

などの意見が出ました。その後、『一体、どのイラストが正解なんだろうね?』と尋ねると、「うーん」という表情。そこで、『じゃあ、今日の課題は何?』と聞き、ノートに書かせました。

課題を考えさせる

 子どもたちの書いたものを見てみると、「タンポポを見に行こう」が多かったです。ちなみに、ぼん先生はこの課題はダメだと思っています。なぜかというと…

理科は、問題解決をする教科であり、課題は疑問の形にすべきだと思うから

「タンポポを見に行こう」だと、見に行ったら課題クリアになってしまうから

です。しかしながら、これは教えないとできないと思います。

 そこで、『今回、「タンポポを見に行こう」っていう課題を書いた人が多かったけど、先生はあまり良い課題だと思いません。理科って不思議を自分の手で真実に変える教科だから、課題は疑問文にしてほしいのです。たとえば、「どうして〜か?」とか「どんな〜か?」みたいなかんじです。今回で言えば、Dさんの「タンポポってどんなすがたをしているのかな?」はめちゃくちゃいい課題ですね。みんなもこんな課題を作れるようになってほしいのです」と伝えました。そして、「タンポポってどんなすがたをしているのかな?」と書きました。

ワークシートの使い方を確認する

 その後、ワークシートを配りました。そして、『このワークシートには、左側に絵を書くところがあり、右側に、色、形、大きさなどの気づいたところを書くところがあります。次回、外に行って観察をするのでこれをうめてください。もちろん何のために観察をするのかっていったら、葉っぱの枚数、花の中、茎の太さ、花の枚数などがどうなっているのかをしらべるためです。だから、それがはっきりできた人がすばらしいのです』と伝えました。その後、『質問はありませんか?』と尋ねました。子どもたちからは、「ないです」との声。

虫眼鏡の使い方を確認する

 残り時間を見てみると10分程度ありました。そこで、『今日は、君たちのために、お助けアイテムをもってきました』と伝え、虫眼鏡を出しました。子どもたちは「あ〜。虫眼鏡だ」という声。どうやら、虫眼鏡を知っているようでした。そこで、『これってどんな道具か知ってる?』と尋ねると、「大きく見える道具」と答えてくれました。

 全体を見ると、初めて見る子もいたようなので、『そうです。虫眼鏡は小さいものを大きく見るための道具です。1人1個持っていって、消しゴムを見てみてください』と伝えました。しばらくすると「すごい。本当に大きく見える」との声。そこで、『虫眼鏡は置いといてね。じゃあ、これの正しい使い方を教えるね』と言って、教科書を使って、虫眼鏡の使い方を確認しました。

 虫眼鏡の使い方で大事なのは3つあり…

 動くものを観察するときは、観察するものを動かす

 動かないものを観察するときは、虫眼鏡を動かす

 目を痛める可能性があるから、太陽を見ないこと

です。そこはノートにメモさせました。

 そして、『虫眼鏡を使うと、小さいものを大きく見ることができるので、花の中とかを見る時に役立つと思うよ』と伝えました。その後、振り返りをして終わりました。

終わりに

 今回、特に教えたかったのは、『課題の作り方』です。教師が課題の作り方を教えないと、一向に課題を作る力は子どもにつきません。今回は、『疑問の形にする』っていうことさえわかってくれればそれでいいかなと思います。

 もちろん、やみくもに課題を作らせても、良い課題を作れるようにはなりません。教師は、課題を作る前にしっかり仕掛けをすることが大事だと思います。今回で言えば、タンポポのイラストを書かせましたが、これには明確な意図があります。気になる方は、「理科専科が見方・考え方を解説! 〜『比べる』とは〜」を御覧ください。

 続きが気になる方は、「理科専科がズバリ授業案を公開! 〜3年「春のしぜんにとび出そう」4授業目〜」を御覧ください

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