理科専科がズバリ授業案を公開! 〜3年「風とゴムのはたらき」8授業目〜

風やゴムのはたらき

 まだ7授業目を見ていない方は、先に理科専科がズバリ授業案を公開! 〜3年「風とゴムのはたらき」7授業目〜をご覧ください。

<どうすればゴールインゲームで点数をたくさん取れるのかな?>

課題を掴む

 まず初めに、子どもたちと次のようなやり取りをしました。

T:前回は、ゴムの長さが長くなると、車の動く距離はどうなるかを調べましたね

C:はい

T:わかったことはなんですか?

C:ゴムの長さが長くなると、車の動く距離も長くなるです。

C:同じです

T:そうだったね。これが結果ですね

T:じゃあ、今日は何をするのかな?

C:ゴールインゲームをします

T:そうだね。じゃあ、今日はゴールインゲームでたくさん点を取れるようにがんばりましょう

C:はい

T:ただし、ただのお遊びにならないように…

T:どうすればゴールインゲームで点数をたくさん取れるのかな?っていうのを意識して取りくでください

C:はい

 こうして、本時の課題である「どうすればゴールインゲームで点数をたくさん取れるのかな?」が決まりました。

ルールを確認する

 その後、子どもたちと一緒にルールを決めていきました。

①スタートラインにゴムの始まりを合わせる

②帆を刺すところがとまった場所の点数をゲットできる

③100点ゾーンと50点ゾーンをつくる

④100点ゾーンのラインに乗ったら50点、50点ゾーンのラインに乗ったら0点

⑤1人2回うち、合計点で勝負する

の5つです。もちろん、先生も事前にルールは準備しています。ですが、譲れるところは子どもの考えを採用すればいいと思います。ただ、譲れないときは譲らなくていいです。今回で言えば、ラインに乗った時は、70点という意見が出ていましたが、「わかりにくいから、100点か50点のどっちかにして」と言いました。

ゴールインゲームの練習をする

 「練習要る?」と聞くと、「ほしい」という声が出たので、「じゃあ、10時55分に大会するからね」と言って、時間をあげました。しかしながら、子どもの様子をみていると、ゴムの長さを10cmとかにして、100点ゾーンから遥か遠くまで飛ばしている姿が見られました。これは、遊んでいるわけではなく、知識が活用できていなかったということです。そこで、残り3分のところで、「集合」と言って、みんなと次のようなやり取りをしました。

T:残り3分になったけど、この調子だと0点だね

C:はい

T:どれくらいのゴムの長さにしたの?

C:10です

T:よし、じゃあ、あっち(ゴムの実験のグラフが貼ってある所)に行くよ

T:10だとだいたいどのへんに止まりそうかな

C:この辺

T:そうだね

T:ちなみに、100点ゾーンって何mだったの?

C:3m

T:そっか。じゃあ、このグラフからだいたいゴムの長さどうしたらいいかな

C:なるほど

といって残り3分は視点を与え、練習をさせました。

ゴールインゲームの大会をする

 「じゃあ、大会やるよ。グループでじゃんけんして、1〜4の順番決めて」と言いました。そして、「じゃあ、1から順にやっていくよ」といって大会を始めました。ここらへんはワイワイできればいいかなと思います。ちなみに1班の結果はこうなりました。

Aさん 1回目… 0点 2回目…  0点

Bさん 1回目…50点 2回目…  0点

Cさん 1回目…50点 2回目…100点

Dさん 1回目… 0点 2回目… 50点

1班の優勝者は、Cさんということになりました。

Aさんへのアドバイスを考える

 その後、全体に「Aさんはね、2回とも0点だったんだけど、どうすればよかったかアドバイスしてあげようよ」と伝えました。すると、子どもたちは、Aさんに聞き出しました。

C:Aさんどれくらいの長さにしたの?

C:5

C:どっちも?

C:うん

C:じゃあ、6にしたらいいのでは

C:でも、6だったらだめだったんだよ

C:とりあえずやってみよう

C:わかったよ

C:ほんとうや。超えちゃった

C:じゃあ、5と6の間にすれば?

C:できんやろ

C:じゃあ、スタートライン下げたら?

C:それいいの?

C:先生いいですか?

T:スタートラインから出なければ、いいよ

C:じゃあ、5にしよう

C:だめやろ。5やったら、前出すしかないやん

C:そっか。じゃあ、6で、このへんかな。

C:うわ、まだこえた

C:じゃあ、この辺かな

C:よし、入った!!!

 こんなふうに、子どもたちはみんなで協力して解決したのでした。本来は、5と6の間っていう考え方が花丸だなと思いました。でも、それが、できないから「どうする?」ってなった時、スタートラインをずらすという発想をしました。もしかしたら、指導要領とはずれていたかもしれないけど、自分たちで考え、答えをだすことを求めていたのでやらせました。子どもたちのがんばる姿がよかったですね。

 ただ、この流し方のよくなかったところもありました。それは「じゃあ、まとめをするよ」ってなったときに、「100点ゾーンに届かなかったらどうする?」って聞くと、「ゴムを伸ばす」と答えていたが、「超えた場合は?」って聞くと、「ゴムを短くする」と「スタートラインの後ろからうつ」という意見が出たからです。本来は、ゴムの長さが大事なので、これは改善が必要だなと思いました。今回は、「まあ、基本はスタートラインをずらすのはできないから、ゴムを短くするのがいいかな」と言いました。

 そして、本時のまとめで、「100点ゾーンに届かなければゴムの長さを長くする。100点ゾーンを超えたら、ゴムの長さを短くする」と書きました。

活用問題に取り組む

 最後に「Zさんは100点ゾーンをこえてしまったようです。そこで、みんなはアドバイスをしました。『100点を目指すには、1回目はゴムののばす長さが(ア    )んだと思うよ。だから、2回目は、ゴムののばす長さを(イ    )すると良いと思うよ」という活用問題を出しました。見事、全員が正解することができました。

終わりに

 これで、風やゴムのはたらきの勉強は以上であります。エネルギーは「量的 関係的な見方」が大事なので、それを意識できればいいなと思いながら、行いました。1つでも役に立てれれば幸いです。

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