文科省の調査官からの質問
昔、文科省の調査官の方が開催した理科の研修会に参加したことがあるんです。色々な話を聞いて「なるほどな」って思ったんですけど、一番心に残っているのはある質問なんです。その質問は…
- 理科ってどんな教科ですか?
といったものです。自分は、この質問って「深いな」と感じたんです。理由は…その人の教科観が見え、教科観はそのまま授業のやり方に直結するからです。じゃあ、みなさんは理科ってどんな教科だと思っていますか?ぜひ、考えてみてほしいです。
文科省の調査官からの質問に対するぼん先生の答え
ぼん先生は、理科って「不思議を自分の手で真実に変える教科」だと思っています。これは、大学生の時に出会った先生に言われた教科観であり、「そのとおりだな」と思い、今も大事にしています。
「疑問を見つけて、予想し、その予想が正しいのか実験で確かめて、答えをだす」これが自分の思い描く理想の子どもの姿です。これがあるから、自分の指導は、ブレません。「不思議を自分の手で真実に変えるために、今のこの子たちに足りない力はなにか?」ということを考え、指導しています。
・問いが見いだせない →2つのものを比べる
・予想が立てられない →既習や日常生活と関連付ける
・実験方法を考えられない→仮説を1つに絞って、それ以外の条件を同じにする
・実験がうまくできない →器具の使い方を教える
・考察できない →書き方の例を教える
などといったようにです。
逆にいえば、子どもたちが他人任せな様子を見せたときは、すごくしかります。「自分の手で」というところが満たせていないからです。その子が、どれだけテストで点数が取れていても関係ないです。理科は決して暗記教科ではありません。この世界にはまだまだ解決できていない疑問がたくさんあり、それを解決できるのが大切なんです。その力をつけたいのです。もちろん、テストの点数は全力で取らせにいかせますよ。でも、テストの点数は副産物にすぎません。
他の教科の場合は…
この「理科ってどんな教科?」という質問は、他の教科にも活用できます。「国語ってどんな教科ですか?」「算数ってどんな教科ですか?」などといったようにです。これにスッと答えられないと、自分の指導がブレてしまうなとおもいます。だから、この質問は深いなと思うんです。
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