2授業目をまだ見ていない方は、理科専科がズバリ授業案を公開! 〜5年「植物の発芽と成長」2授業目〜をご覧ください。
<本当に、水の温かさ、気温、コットン、空気も発芽するために必要なのか?>
復習する
まず初めに以下のようなやりとりをしました。
T:前回、どんな勉強をしましたか?
C:発芽に必要なものが何かを考察しました。
T:どんな事がわかりましたか?
C:発芽には水が必要です
C:日光や土は必要ありません
C:肥料を使わなくても発芽したので。肥料も必要ありません。
今日の問題を掴む
そして、黒板に今日の問題を書きました。問題は、「水以外で発芽するために、必要なものはあるのかな?」です。そして、子どもたちに「前回の勉強では、発芽するために水が必要だと分かったよね。でも、発芽するために水以外に必要なものってないのかな?逆にいえば水さえあればどんな状況でもはつがするのかな?もしかして、これもいるんじゃない?って意見があれば書いてください」と言いました。
しばらくすると、子どもたちから3つの意見が出ました。
①水の温かさ
②気温
③コットン
の3つです。その後、「教科書ではこんな意見も出ていたよ」と言って、「人間が空気を吸うように、植物にも空気が必要だと思う」という意見を紹介しました。そのため、④空気も黒板に足しました。そして、この4つは必要かどうかを子どもたちで話し合いさせました。
C:水の温かさはいると思う。冷たすぎても、あつすぎても人間は「うっ!」ってなるから、種もダメな気がする。
C:気温もいると思う。種って、冬にたねをまくのを見たことないし、ビニールシーツを使ったりしているから。
C:コットンはいらないと思う。だって、コットンあっても水なしの時、発芽していなかったから。
C:いや、それは水がなかったからやと思う。
C:でも、土で芽が出るけど、その時、コットン使ってないやん
C:空気はいるとおもう。なかったら、宇宙でも発芽することになる
など、経験を想起しながら話し合っていました。自分としては、コットンは話し合いで切れれば良かったのですが、かたくなに必要だと言いはるので、実験させるほうがいいなと思いました。
ある程度、話し合いが熱を帯びてきたところで、「じゃあ、1回座るか?話し合いでは解決しなさそうなので、実験で確かめよう。今日の課題は?」と聞くと「本当に、水の温かさ、気温、コットン、空気も発芽するために必要なのか?」に決まりました。
実験方法を考える ③コットンについて
「じゃあ、実験方法をみんなで考えよう」と伝え、黒板に書くように伝えました。「どれが一番簡単?」と聞くと、「コットン」という声が出たので、コットンの実験方法を考えました。
C:コットンありとなしね
C:水は両方いれよう
C:種も書こう
C:これでだいじょうぶじゃない?
T:正解!先生もそうするかな
といった感じでした。
実験方法を考える ①水の温度について
「じゃあ、次はどうする?」と聞くと、「水の温度」と言いました。正直、ぼん先生は一番むずかしいなと思ったのですが、「わかったよ」といってやらせました。
C:水の温度があついとつめたいにしよう
C:たねをいれよう
C:ちょっと待って。温度一定にするのどうする?
C:お湯入れればいいやん
C:お湯入れても、しばらくおいたらぬるくなるよ
C:本当や。えぇ。どうしよう
C:カップの周りに氷置けば、よくない
C:でも、そしたら、氷ありとなしになるから。条件が2つかわってない?
C:でも、水の温度を下げるための作業だから、それは大丈夫じゃない?
C:でも、だめじゃない?
といった感じでした。この子たち、すごくないですか?笑 自分たちで、水の温度の難しいところを指摘し、自分たちでそれを乗り越える作戦を考え出したのです。自分も、水の温度を一定にするのって難しいなと思いながら見ていました。そして、どうすればそれを実現できるかな?っていうのを一緒に考えていました。
今回は、子どもたちがまだ育ちきってないと思い、先生が出ました。
T:氷を周りに置くのはいいアイディアだけど、先生は条件制御ができてるとは言えないかなと感じたわ。たとえば、どっちにもエアコンを置いて、片方は冷風、もう片方は温風にするとかなら、条件制御できてるっていえるかな
と伝えました。すると、ある子から「でも、それってできなくないですか?」と言われました。そこで、「そうだね。そんなものは学校にないからね。とりあえず、これは難しいから。先に別のやつをやろう」と言いました。
実験方法を考える ②気温について
「次どうする?」と聞くと、「気温」という声が出ました。
C:気温ありと気温なしにして
T:ストップ。気温って、空気の温度だから。必ずあるぞ。
C:じゃあ、低いと高いにしよう
T:低いって何度? 数値にしておかないとばらけるよ
C:いま、23℃だし、片方は23℃にすればいいと思う
C:そうだね
C:もう片方は、5℃くらい?
C:でも、どうやって5℃にする?
C:日陰?
C:更衣室?
T:でも温度一定にならんくない?
C:冷蔵庫
T:いいんじゃない。実は教科書も冷蔵庫にしてたよ。でも、ある條件が変わってしまうから、そこは気をつけないといけないけど
C:明るさじゃない
T:正解
C:じゃあ、こっちを暗くしないとだめだね
C:日陰おいとけばよくない
C:どれくらい暗いかわからんよね
C:先生、冷蔵庫どれくらい暗いかみたいです
T:いいよ。じゃあ、いくか
(冷蔵庫前に到着)
T:でも、開けたら明るくならん?
C:ゆっくりしたら?
C:だめだ。すぐにあかりつく
C:カメラを冷蔵庫にいれて録画すれば?
C:えっ。だめじゃない
T:とりあえずしめるか
C:あ!なんか一瞬見えた気が。ゆっくりしめたら
T:じゃあゆっくりしめるよ
C:うわ〜真っ暗や
C:じゃあ、どうする?
C:引き出しの中にいれればよくない?
C:でも邪魔じゃない?
C:じゃあ、ロッカーの中は?
C:それも一緒じゃない?
T:実は、教科書では、段ボールをつかってたよ
C;なるほど、被せばいいんだ
C:そうすればいけるね
実験方法を考える ④空気について
じゃあ、「最後は?」というと、「空気」という意見が出ました。
T:空気に触れないようにするには2つのやり方があって…
C:なんだろう
T:1個は…(上を指差す)
C:宇宙にとばす
C:そんなんできんやろ
T:まあ、できんけど、1個はそれです。
T:もう1個は、水に沈めるです
C:なるほど
T:君たちも水に潜ったら、空気すえないでしょ
C:じゃあ、片方は空気に触れるようにして、もう片方は水にしずめればいいんか
ここで、もう時間が来てしまいました。そこで、「ごめん。もう時間来てるし、一回ここで切ろう。次回はこれの続きしよう」と言って、挨拶をしました。
終わりに
後半は時間がなかったので、教師が結構前に出てしまいました。ただ、子どもたちには、条件制御の考え方がわかっていても、実際に実験方法を考えるのは難しいんだなということは実感させたれたと思います。
この授業はすごくよかったなと思っていて、それは、子どもたちがすごく考えていたからです。案を出したり、批判したり、そして、折り合いをつけたり…といったことを繰り返すことで、実験方法を発想する力はまちがいなくつくと感じました。この調子で頑張りたいなと思いました。
続きが気になる方は、理科専科がズバリ授業案を公開! 〜5年「植物の発芽と成長」4授業目〜をご覧ください。
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