5授業目をまだ見ていない方は、先に理科専科がズバリ授業案を公開! 〜5年「植物の発芽と成長」5授業目〜をご覧ください。また、この授業は、6月17日にやっていて、先にメダカの腹の養分について子どもたちは先に学んでいます。
<どうして子葉は時間が経つと、しぼんでとれちゃうのかな?>
課題を掴む
まず初めに次のようなやり取りをしました。
T:これはインゲン豆です。これ何かわかる?
C:子葉
T:これは?
C:本葉
T:そうだね。
T:でね、時間が経つと…こうなるんです
C:あれ?
T:そしてね、さらに時間が経つと…こうなるんです
C:あれ?
T:気づいたことないですか?
C:子葉がしぼんで、なくなった
C:植物がおおきくなっている
T:そうだね。でね、子葉がこんなふうにしぼんでいくのって不思議じゃない?
C:はい
T:じゃあ、今日はこれについて勉強しようか。じゃあ、今日の課題は?
C:どうして子葉は時間が経つと、しぼんでとれちゃうのかな?
ということで、本時の課題である「どうして子葉は時間が経つと、しぼんでとれちゃうのかな?」が決まりました。
予想を立てる
その後、「じゃあ、もしかしたらでいいから予想をかいてみて」と指示を出しました。その後、発表をさせました。子どもたちからは…
・子葉の中に養分があり、その後、その養分が本葉の成長に使われたから
・成長していくと、養分が子葉にいかず、本葉の方ばっかりに行ったから
・子葉のところに実ができるから
といった意見が出ました。「じゃあ、友達の意見も踏まえて、1番これだって思うのはどれ?」といって、ネームプレートをはらせました。やっぱり、「子葉の中に養分があり、その後、その養分が本葉の成長に使われたから」と「成長していくと、養分が子葉にいかず、本葉の方ばっかりに行ったから」に票が集まりました。
そこで、「成長していくと、養分が子葉にいかず、本葉の方ばっかりに行ったから」の意見を取り上げ、「これってどこから養分を取り入れていると思っているの?」と聞きました。すると、子どもたちからは「根から水と一緒に取り入れると思います」と言っていました。
実験方法を確認する
そして、次のようなやり取りをしました。
T:そっか。じゃあ、ヨウ素液を使えば解決できそうだね
C:ヨウ素液
T:ヨウ素液っていうのは、デンプン(養分)があるかどうかを調べる液だよ。ヨウ素液とデンプンが反応すると、青紫になるの。こんな感じ。
C:へえ
T:でね。インゲン豆って実はこんなふうになっているの。これが子葉。ほんでこれが根や茎や葉になる部分
C:なるほど。
T:こっちの考えは、子葉にデンプンが含まれているってことだから、新しいインゲン豆にヨウ素液をかければ…
C:青紫になるはず
T:そう。ほんでこっちは根から養分を取り入れているってことだから、新しいインゲン豆にヨウ素液をかければ…
C:何も反応しない
T:そういうこと
C:なるほど
T:じゃあ、やってみようか
実験する
そして、実験をさせました。
T:これヨウ素液ね。いれるよ
C:もっていっていいですか?
T:いいよ
C:ほんで、これ種。切るよ
C:もっていっていいですか?
T:いいよ。つけてくださいな
C:はい
C:これひっくりかえしたいし、ピンセット持っていっていいですか?
T:すごい。どんどんもっていって
C:あれ?青くない?
C:先生、これって反応しなかったら何色なんですか?
T:ヨウ素液と同じ色になる。茶色っぽい色
C:じゃあ、やっぱり青紫やん
C:ということは、子葉にデンプンあるってことか
T:そうだね。つまり、子葉にデンプンがあるってことだね
C:でも、根や茎や葉になる部分は青紫になっていないよ
T:よく見てるね。つまり、デンプンは子葉にしかないってことだね。
最も可能性がありそうな予想を確認する
その後、自分の机に戻らせ、「じゃあ、この結果を踏まえて、どの説が最も可能性がありそうかな?」と尋ねました。すると、全員が、「子葉の中に養分があり、その後、その養分が本葉の成長に使われたから」を選んでいました。ちゃんと理解している証拠ですね。良かったです。
そして、振り返りをさせ、「でも、この予想って本当に合ってるんかな?どんな実験をすれば周りの人を説得できるかな?次回はこれについて考えようか」と言って、終わりました。
終わりに
必要感をもたせながら、ヨウ素液とデンプンについての学習をさせることができたかなと思います。なんでうまくいったのかというと、(1)メダカの腹の養分について学習をした後にこの授業をしたから、(2)養分を根から取り入れているというのを問い返しで聞き、ズレをちゃんと見出した後実験をさせたからが大きいと思います。次回もたのしみですね。
続きが気になる方は、理科専科がズバリ授業案を公開! 〜5年「植物の発芽と成長」7授業目〜をご覧ください。
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