理科専科がズバリ授業案を公開！　〜４年「あたたかくなると」１授業目〜　

　「温かさによって、生き物の様子はどのように変わるのかな？」

課題を掴む

　『春になってどんな生き物を見つけましたか？』と尋ねました。すると、子どもたちから…

などの意見が出てきました。『そうだね。Aの方を動物と言います。Bの方を…、』というと、『植物』という声。そこで、動物と植物を板書しました。

　『じゃあ、今日の問題ね』と言い、『いろいろな生き物が春になると、見られるようになったのはどうして？』と書きました。そして、ノートに自分の考えを書かせました。

　しばらくしてから意見を聞くと、『冬は寒いけど、春は温かいから』という意見が出ました。そこで『もう少し詳しく教えて』と問い返しました。すると、『温かいと動物は動きたくなるし、植物も成長するから見られるようになると思う』と答えてくれました。そして、つぎのようなやり取りをしました。

と言った感じです。ここは、教師がはっきりと誘導すればいいと思います。それは、４年生では、４回もこれに似た単元が出てくるので、最初がブレると大変だからです。そして、単元のゴールとして「温かさによって、生き物の様子はどのように変わるのかな？」と書きました。

４つのポイントを知り、計画を立てる

　『じゃあ、今後の計画を立てるよ。ワークシートをくばるね』と言って、ワークシートを配りました。決めることは大きく、４つです。①どの生き物を調べるか、②何に注目してみるのか、③調べる場所や時刻、④記録の方法です。

　まずは、①どの生き物を調べるか？です。これは、教師の方で絞ったほうが言いと思います。理由は１年間見ていくものであり、変な生き物を選ぶと学習にならないからです。植物なら、ヘチマとサクラがオススメです。動物は、どれがいいのか迷うのですが、皆さんの学校の周りにいて季節ごとに見た目が変わる動物が良いと思います。チョウとかカエルとかツバメをやってた人もいましたね…

　次に、②何に注目してみるのかです。変化を見るとなったら数値化できるものを主にするのが良いと思います。例えば、枝の伸び具合、葉っぱの数、生き物の数などといったようにです。もちろん葉っぱの色の変化とかも見るのですが、それって意識しなくても気づくと思うので、『他に変化したものある？』ってその季節ごとに聞けば出るかなと思います。何に注目してみるのかを決める時、「生き物の様子で変わりそうなものって何があるかな？」って聞いてから「数値化できるものだと把握しやすいよね」って絞るのでも良いかなと思います。

　その次に、③調べる場所や時刻です。調べる場所は、サクラやヘチマや生き物がいそうなところでいいと思います。あと、時刻は、理科がある時間帯をねらうので良いと思います。

　最後が、④記録の方法です。自分は、絶対に写真をオススメします。スケッチというやり方もあるんですが…

という２つの理由からそう考えます。特に２つ目が大事で、春と夏と秋と冬の様子を比べる時、夏には気づかなかったけど、秋になったら気づくってパターンもあると思うんです。例えば、春は、葉の数にしか意識が向いていなかったけど、葉っぱの色もかわっていることにきづいたとかです。その時、写真のほうが見つけやすいです。

４つのポイントを理科専科はどう決めた？

　こういったポイントを踏まえて自分は…

• 　　①　植物…サクラ、ヘチマ　動物…カエル、チョウ
• 　　②　葉っぱの数、茎の伸び具合、動物の数、見た目
• 　　③　グラウンド、花壇　１０時くらい
• 　　④　カメラ
• 　　※　気温を記録する

というのを確認しました。そして、振り返りをして、「じゃあ、次回はサクラを観察してみよう」と言って終わりました。

終わりに

　１年間観察していくので、ここは教師がどんどん決めていけばいいと思います。なんでもかんでも子どもが決めるのが主体的な学びとは限らないと思います。これで子どもの言う事を鵜呑みにして、夏に全然その生き物が見れませんでしたってなる方が最悪だと思います。そのため、教師がある程度見通しを持ち、計画を立てるのが大事だと思います。ただし、子どもが学んでいくもののだから、発問して一緒に決めていったり、理由をちゃんと説明して納得させたりすると言った配慮は必要かなと思います。

　続きが気になる方は、「理科専科がズバリ授業案を公開！　〜４年「あたたかくなると」２授業目〜」を御覧ください。