理科専科がズバリ授業案を公開! 〜4年「雨水のゆくえと地面のようす」4授業目〜

雨水のゆくえと地面のようす

 まだ3授業目を見ていない方は、先に理科専科がズバリ授業案を公開! 〜4年「雨水のゆくえと地面のようす」3授業目〜をご覧ください。

<実験計画を立てよう>

課題を掴む

 まず、はじめに次のようなやり取りをしました。

T:前回は、どんなことをやりましたか?

C:砂場の砂と校庭の土の違いを調べました

T:どんな違いがありましたか?

C:砂場の砂は、粒が大きく、ザラザラしていて、しみ込みがはやい。

C:校庭の土は、粒が小さく、サラサラしていて、しみ込みがおそい。

T:それで、その違いを調べていたのは、校庭には水たまりができているのに、砂場には水たまりができていないのはどうして?に対する仮説を立てるためだったよね

C:はい

T:じゃあ、今日はみんなの仮説を確かめよう。おしえて

C:はい

T:Aさん

C:しみ込みのはやさにちがいがあったので、校庭の土はなかなかしみ込まなくて、砂場の砂はすぐにしみこむから水たまりができないのだとおもいます

C:同じです。

T:他の意見の人はいませんか?

C:ないです

T:つまり、水がしみ込む時間にちがいがあるからってことだね

C:はい

T:でも、これって本当にそうなんかな?というのも、1回しかやってないからたまたまだったかもしれないじゃん。しかも、水のいれ方とかちがいがあったじゃん。

C:たしかに

T:ということで、しっかり実験してみて、確かめてみよう。

C:はい

T:じゃあ、どんな実験すれば良いんだろうね?

C:…

T:じゃあ、今日はそれを解決しよう。ということで、今日の課題

C:実験方法を考えよう

ということで、本時の課題である「実験方法を考えよう」に決まりました。

実験方法を考える

 その後、1枚の写真を全員に見せ、次のようなやり取りをしました。

T:先生は、こんな実験してみればいいかなとおもっているんだけど、どんな実験だと思う?

C:はい

T:Cさん

C:まず、片方に校庭の土、もう片方に砂場の砂を入れます。そのあと、水を入れます。ほんで、全部の水が落ちるまでのタイムを測ります

T:すごい。ほとんど説明してくれたわ。

T:まず、2つのペットボトルあるよね。これに何をいれるって言ってた?

C:校庭の土と砂場の砂

T:ほんで、何をするの?

C:水をいれる

T:そうだね。でっ、全部染み込むまでの時間って言ってたんやけど、それだとかなり時間がかかるから、ここに赤い線をつけてあるんだ。これどういう意味かわかる?

C:なるほど。赤い線にたまるまでの時間をしらべるんだ

T:正解。

T:だから、君たちは、赤い線に貯まるまでの時間をしっかり見てね。君達的には、砂場の砂の方がしみこみやすいってことだから、タイムが短いのはどっち?

C:砂場の砂

T:ということ。でも、タイムが一緒だったら、君たちの仮説はハズレってこと

C:なるほど

T:ただし、この実験するときにそろえないといけないこともあるんよ。例えば…水のいれ方、ザバーっといれるのと、チョビチョビっていれるのやったら、結果かわりそうじゃない

C:確かに

T:だから、条件を同じにしないとダメってこと。他に揃えないといけない条件って何がありそう?

C:水の量

C:土の量

C:赤い線の位置
T:そうだね。他にもペットボトルの大きさとか形とかもあるよ

T:こんなふうに、条件を同じにするのはとても大事だし、条件を揃えながら実験方法を考える力は5年生でやるからね

C:はい

T:じゃあ、残った時間で準備をしようか

実験準備をする

 その後、全員で準備をしました。授業前の準備として、事前に次のようなものを準備しておきました。

・ペットボトルを半分に切ったもの

・脱脂綿

・底のあるペットボトルには赤い線を書く

・砂場の砂

・校庭の土

・シャベル

 作り方は…

①グループ内で1〜4の番号を決める(1と2の人が校庭の土のペットボトルを作る。3と4の人が砂場の砂のペットボトルを作る。)

②ペットボトルから土がこぼれないように、口の部分に脱脂綿を突っ込む

③校庭の土、もしくは砂場の砂をいれる(土の量を揃えるために、事前に手本を作っておく)

④全員で見比べて、量が同じか確かめる

です。子どもたちはテンポよく行っていました。その後、本番ではペアを組み、まず校庭の土のタイムをはかり、その後、砂場の砂のタイムをはかることを確認しました。ペアで行う理由は、ひとりが水を入れ、もうひとりがタイマーを押すためであると伝えました。そして、水のいれ方とタイマーの押すタイミングを全員で確認し、練習をさせました。その後、振り返りをかかせ、終わりました。

終わりに

 今回は、条件制御の考え方を教えるのがメインの活動でした。字数のため、削ったのですが、「揃ってないと、ずるくないけ?」というやり取りをたくさんしました。例えば、土の量のときに、「土が少ないとすぐにおちそうだけど、土が多いとなかなかおちなさそうじゃない?」とか「例えば、AさんとBさんが走り競争をするときに、Aさんは5mで、Bさんは100mです。Aさんのほうが早く着いたから、Aさんの勝ちってオッケーけ?」といったやりとりをしました。「文句言われないようにするために、そろえるんだよ」っていうのはすごく納得していた気がします。

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