まだ5授業目を見ていない方は、先に理科専科がズバリ授業案を公開! 〜4年「雨水のゆくえと地面のようす」4授業目〜をご覧ください。
<本当に砂場の砂はしみ込みが校庭の土よりはやいのか?>
課題を掴む
まず初めに次のようなやりとりをしました。
T:復習をしましょう。この写真覚えている?
C:覚えています
T:この写真からみんなは疑問を見つけてくれたんだよね。どんな疑問やったっけ?
C:校庭には水たまりができているのに、砂場には水たまりができていないのはどうして?
T:でしたね。ほんで、前々回は、校庭の土と砂場の砂をくらべてみたんだよね。どんなちがいがあったかというと
C:校庭の土は、1粒が小さく、サラサラしていて、しみ込みがおそい
C:砂場の砂は、1粒が大きく、ザラザラしていて、しみ込みがはやい
T:そうだね。ほんでその結果をもとに、君たちはどんな仮説を立てたかというと
C:砂場の砂のほうが水が早くしみこむから水たまりができにくいです
T:ただ、たまたまかもしれんし、水の入れ方とかちがったから、実験で確かめようねっていってたんだよね
C:はい
T:じゃあ、今日の課題は?
C:本当に砂場の砂はしみ込みが校庭の土よりはやいのか?
T:じゃあ、それにしましょう
ということで、本時の課題として「本当に砂場の砂はしみ込みが校庭の土よりはやいのか?」が決まりました。
実験方法を確認する
その後、次のようなやり取りをしました。
T:じゃあ、実験方法の確認ね
C:はい
T:「はやいのか」って言うことは何に注目しているの?
C:時間です
T:そうだね。じゃあ、今回の実験はなんの時間を調べるの?
C:赤い線までの時間です
T:そうだね。でっ、この実験は、揃えないと行けないところもあるんだよね。なにかな?
C:水の入れ方
C:水の量
C:土や砂の量
T:ですね。それを揃えないと、土や砂の違いによってはやさがずれたのか、他の条件のせいで速さがずれたのかわからなくなるからね
T:そしたら、確認もばっちりやし、早速はじめてもいい?なにか質問ある?
C:はい
T:Aさん
C:水の入れ方のスピードってどうすればいいんですか?
T:じゃあ、先生やるよ。こんくらいのスピード!
C:わかりました。
T:とてもだいじやね。ありがとう。他に?
C:ないです
T:じゃあ、実験道具もってきて
実験する
その後、実験を行いました。子どもたちは次のような様子でした。
T:じゃあ、まずは、校庭の土のほうね。はじめていいよ
C:はい
C:うわ、おっそ
C:赤い線きたら押すんだよ
C:分かってる
C:全然こないね
C:はい
T:じゃあ、結果教えて
C:5:32
C:5:03
C:4:45
C:5:01
T:りょうかい。そしたら、次は、砂場の砂のほうね。始めて良いよ
C:はい
C:やっぱりこっちのほうがはやい
C:はい
T:結果教えて
C:2:34
C:3:14
C:2:52
C:3:00
T:そしたら、ワークシート配るし、結果うつして
C:できました
C:先生、この水のしみこむ時間ってなんて書けばいいですか?
T:ちょっとまってね。全員できたら言うよ。そしたら、水のしみこむ時間は、短い、長いって書き方をします。どっちが短かった?
C:砂場の砂
T:そうだね。だから、砂場の砂の方が短い。校庭の土のほうが長いって書いて
C:できました
どうして砂場の砂のほうが早くしみこむのかについて考える
その後、次のようなやり取りをしました。
T:じゃあ、ちょっと考えてほしいんやけど…
T:砂場の砂のほうがしみこむのが早いのはどうして?
C:う〜ん
C:はい
T:Bさん
C:粒が大きいからだとおもいます。
T:ほか?
C:う〜ん
T:そしたら、これモデル図なんだけど、こっちが砂場の砂ね。粒が大きいから。ほんでこっちが、校庭の土ね。さっき、Bさん。粒が大きいからって言ってたけど、粒が大きいとなんでしみこむのが早いの?ペアで相談
C:(ペア活動中)
T:おしえて
C:はい
T:Cさん
C:粒が大きいと、すきまが広くて、水が通りやすいからだと思います
C:付け足しです。
T:Dさん
C:粒が小さいとすきまが狭くて、水がぶつかってなかなか通らないからだと思います
T:あ〜良いけど。それって校庭の土が流れにくい理由だから。Cさんみたいな言い方のほうがいいな。
T:ほかの意見ありますか?
C:ないです
T:つまり、粒が大きいと、すきまが広くて、水が通りやすいからってことやね
C:はい
じゃりのしみこむ時間について調べる
その後、次のようなやり取りをしました。
T:実は、今日はこんなものを持ってきました。
C:おっ
T:これはじゃりといいます。
C:つぶ大きい
T:そうだね。そしたら、このじゃりで実験してみよう。じゃりと砂場の砂だったら、どっちのほうが早くしみこむと思う?
C:じゃり
T:やってみるよ
C:はやっ
T:タイムは?
C:32秒です
T:じゃあ、記録しようか
T:水のしみこむ時間のところは何てかけばいい?
C:もっと短い
T:わかった。じゃあ、それにしよう
考察する
その後、次のようなやり取りをしました。
T:じゃあ、考察ね。これについて書いてみて
T:(どうしてじゃりが1番はやくしみこむのかな?)
T:できたらもってきて
C:できました
T:いいよ
C:できました
T:1つぶの大きさが1番おおきかったら、なんで1番早いの?
C:すきまがひろくなるから
T:それがいるね
T:全員の見たかな?
T:じゃあ、Eさん、教えて
C:じゃりは1粒の大きさが1番大きいため隙間がひろくなり、水が通りやすいから
T;こればっちりやね。事実と考えたことも入ってるし
まとめをする
その後、次のようなやり取りをしました。
T:じゃあ、今日のまとめね
T:今日の課題は、本当に砂場の砂はしみ込みが校庭の土よりはやいのか?なので…
C:砂場の砂はしみ込みが校庭の土よりはやい
T:ほんで、どの場合でも当てはまることも書くよ
T:水のしみこむはやさは何で決まるの?
C:1粒の大きさ
T:そうやね。じゃあ、大きいほうが早いの?小さいほうが早いの?
C:大きい方
T:だね
といったようなやりとりをして「砂場の砂はしみ込みが校庭の土よりはやい。しみこむはやさは、1粒の大きさで決まり、大きいほうが時間は短い」とまとめをしました。そして、振り返りを書かせて終わりました。
終わりに
実は、これは研究授業で行った授業であり、かなり気合がはいっていました。どの子もしっかりまとめが落ちるようにするために、いろんなしかけをしたのですが、1番の決め手は「砂場の砂のほうがしみこむのが早いのはどうして?」という発問をした後、問い返しでモデル図を使いながら、「どうして1粒が大きいとしみこむのがはやくなるのか」について考えさせたところだと思います。そして、「粒が大きいと、隙間が広くなり、水が通りやすい」といったイメージをもたせ、じゃりで実際に確認をしたから、スッと落ちたのかなと思います。
ちなみに余談なんですが、今回、「粒が大きく、つるつるしたじゃり」を準備しました。なぜかわかりますか?ぜひ、気になる方はコメントを下さい。
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